SUPER GT 2025 SERIES

JAPANESE FIA-F4 CHAMPIONSHIP

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【第8戦 もてぎ:決勝日】シリーズ・チャンピオン会見

 

第8戦 モビリティリゾートもてぎ:シリーズ・チャンピオン会見

GT500 Class

No.1 au TOM’S GR Supra
伊藤大輔監督/坪井翔/山下健太

※ドライバーと監督の回答は質疑応答の順としています。

 

 

──チャンピオンを獲得した今のお気持ちを聞かせてください。

伊藤:(SUPER GT史上初の3連覇となったが)この体制だったら(タイトルを)獲れるだろう、というような言葉をシーズン前からいただいたりしたのですが、その分プレッシャーもあったのでチャンピオン3連覇が獲れて正直ホッとしております。今年からエンジニアが変わるなか、優勝もしてきましたし、毎戦毎戦コツコツとポイントを獲りながらきたわけですが、すべてのレースで完璧とはいかない部分があって、常に反省点がある状態で次のレースに挑むというような形でやってきました。結果として最後にこういう形(優勝)で終われて本当に良かったなと思っています。ドライバーふたりが最後まで素晴らしい走りをしてタイトルに導いてくれたことに感謝しています。

山下:(自身3度目のチャンピオンとなったが)1号車チームは、坪井(翔)選手が今回で4回目(のタイトル獲得)、自分が3回目(のタイトル)、(チームとして)3連覇(達成)で……今、これだけ接戦のGT500クラスでちょっと“抜けたような”結果を出し続けているチームに、自分が居させてもらっていることをまず感謝したいのと、今年も完璧なシーズンではなかったんですけど、全員が常に100%以上のパフォーマンスを出せているという印象があるので、苦しいときもミスを最小限にしてきたと思うし、できる限りのことをしてきたと思うので、全員の力で獲ったチャンピオンだなと改めて思いました。

坪井:(ロニー・クインタレッリ氏の記録に並ぶ4度のタイトル獲得となったが)うれしいです。この環境でレースをさせていただけることがまずありがたいことです。今の1号車は、多分空いたら多分誰もが乗りたいと思うシートのひとつなのかなと思うので、そこに乗れているのはありがたいですし、そのなかでしっかりプレッシャーはありますけど、そのなかで山下(健太)選手とともに結果を出し続けられているというのはすごくいい環境かなと思います。(先にコメントした伊藤大輔)監督も言っていましたが、今年エンジニアが変わったこともあって完璧なシーズンではなかったとはいえ、いろいろ試行錯誤しながらしっかりチャンピオンという結果……エンジニアにとっても初めてのGTトラック(レース戦略を含む車両エンジニアリング担当者)で、今までチャンピオンを獲ってきて当たり前だった1号車をいきなり背負うことの重大さはわかっていたでしょうが、エンジニアにとってすごく大変な年だったと思います。しっかり仕事をやってのけてくれたチームのみんなに感謝ですし、史上初の3連覇はチームとしてすごく快挙だと思います。その一員としていることができて良かったと思います。

 

 

──今日の決勝レースを振り返って、それぞれのスティントの状況を教えてください。

坪井:(今日のレースで1号車は)2位以上でチャンピオン確定という条件で2位スタートだったので、無理して抜かなくてもチャンピオンが獲れる状況でしたけども、やっぱり勝って終わりたいという思いがありました。予選はちょっと悔しい結果になってしまったので、なんとか抜きたいなと思っていました。 朝のウォームアップ走行の段階では思ったより路面温度が(チームとして)想定としていたより低かったかなって感じで、タイヤの(適正温度への)アップは結構大変な状況でした。逆に言うと、『(抜くなら)もう1周目しかないな。(抜く)チャンスはめちゃくちゃあるな』と思ってたので、そこに全集中して1周目で抜くことができました。すごく計算どおりなレース展開で、そのあとも5秒、6秒ぐらい(後続車に)ギャップを開いて山下(健太)選手に渡すことができました。もしかしたらどこかのクルマがタイヤ無交換でくるかもしれないというのはなんとなく想像してたので、なるべく僕らとしてはギャップを開いておきたいという考えでした。僕の役目としてはちゃんとトップでギャップを作って渡すという任務はしっかり果たせたので、すごくいいスティントだったかなと思います。

山下:(決勝では)坪井(翔)選手がトップで(クルマを)渡してくれたので、トップを守らなきゃいけないなとは思っていたんですけど、選んだタイヤの種類的にもピックアップとかいろんな問題があって、ペース的に厳しくなるかもしれないと少し思っていました。そうなりたくないなと思っていたんですけど、実際はかなりそういう状態になってしまいました。その状態でも、(周りの)みんなが選んでるタイヤも(自分たちと)似ているし……と思っていたんですが、日産勢(12号車Zと23号車Z)が思ったよりもすごく速くて、2台に30周近くずっと真うしろを走られる展開になりました。状況的にはうしろ2台を(先に)行かしてもチャンピオンになれることはわかってはいたのですが、(シーズン)最後だし……(勝ちたい)と思って。抜かれて終わってもちょっとモヤっとするのでブロックしようかなと思って結構がんばって走っていたんですが、ちょっと疲れました(笑)。でも勝てて良かったです。

伊藤:(決勝は後半担当の)山下(健太)選手が疲れることはわかっていたんですが、ここ数戦では山下選手にスタートドライバーを行ってもらう形を取っていましたが、ちょっと流れが良くなかった部分もあり、レース前にエンジニアと相談して坪井(翔)選手がスタートという形でやりました。(予選で)フロントロウ(最前列)を獲れたのも良かったですし、坪井選手が抜いてきてくれるだろうから(坪井に)託そうと、実行に移しました。(坪井が)本当に実行してくれて、ギャップを作って山下選手に代わってくれました。結果論で言うとタイヤの選択は間違っていたかもしれないんですが、そうでなかったとしても、とりあえずヤマケン(山下)ならなんとかブロックしてくれるだろうという心づもりで(運転する)順番を考えたし、それをきちんとふたりとも予定通り実行してくれたので、なにも言うことはないです。

 

 

──1年の最後になりますので今年を振り返って、2025年シーズンで一番思い出に残っているレースを教えてください。

伊藤:今年を振り返ると、やはり体制面ではエンジニアが変わったことが本当に大きくて……。今まで普通にできていたことが、なかなかうまくできないという(エンジニア)本人の歯がゆさもあったでしょうし、我々としてもメカニックから去年まで(担当して)いたエンジニアの吉武(聡 現チーフエンジニア)もドライバーも含めてできる限りサポートし合って、自分たちでできることを一生懸命やってこうというなかでスムーズにいかないときもあったのですが、それをみんなの力で乗り切った、乗り切れた、というシーズンだったという思いがあります。印象に残っているのは、前半の4戦がすごく順調に行き過ぎていたこと。やはり後半苦しむことは想定通りでした。ただ、このもてぎの予選でフロントロウに並ぶことができて、最後に勝って追われたことで思いが非常に強いんですけども、それ以上に(リタイアに終わった第7戦)オートポリスのレースが非常に心残りというか……トラブルは仕方ないんですが、レース前にタイヤ選択であったり戦略面であったり、事細かくすごく話し合って自分ではすごく自信のあるレースではあったんですけども、(レースが)始まってみたらなかなか歯車がうまく回らない、噛み合わないというレース展開になってしまったのが、嫌なほうで思い出に残るレースかなと思います。でも、今日勝つことができて良かったです。

山下:今日のもてぎが思い出に残るレースかなと思います。(先に)伊藤監督も言ってましたが、自分たちに要因はないのですが、オートポリス(第7戦)とSUGO(第6戦)で結構ポイントを落とす形になって、すごく悪い流れになりそうだったところを、このもてぎでは予選も決勝もいつも通りの形に戻すことができたので、良かったかなと思います。

坪井:今年の流れとしては、(GT300クラスチャンピンの)菅波選手も言ってましたが、(シーズンの)あいだに(第4戦富士)スプリントレースがあったこと。(それまでのサクセスウェイトを下ろし)ノーウェイトでレースができたことは大きかったと思います。開幕(岡山)と最終戦(もてぎ)と富士スプリントと、そこで大量得点を獲ることができてチャンピオンに繋がったシーズンだったかなと思います。印象に残ったレースとしては……やっぱりノーウェイトのレース_開幕戦と最終戦です。(ライバルと)同条件でレースをして勝つことなので、そのふたつを今年も獲れた(優勝できた)のは、すごく大きいと思います。

 

GT300 Class

No.65 LEON PYRAMID AMG
黒澤治樹監督/蒲生尚弥/菅波冬悟

※ドライバーと監督の回答は質疑応答の順としています。

 

 

──チャンピオンを獲得した今のお気持ちを聞かせてください。

黒澤:「嬉しい」という単純な言葉で片付けていいのかというくらい嬉しいです。自分でファクトリーを構えて、チームオーナーと一緒に組織を作り、自分のスタッフとともに(自分が)ドライバーとしてチャンピオンを獲って、今度は監督としてチャンピオンを獲らせていただいて、これ以上なにがあるんだ!? というくらいの目標を達成できました。ブリヂストンさんに素晴らしいタイヤを用意していただいて、チームを持たせていただいて、こんな結果を与えてくださったので、これ以上のことはないかなと思います。嬉しいです。

蒲生:気持ちとしてはホッとしているのが大きいです。今日のレース展開的にはペースが厳しくて、自力でなんとかなるような展開ではなかったんですが、そのなかでもちゃんと持てるすべてを使って、予選順位から決勝順位を上げることもできましたし、もうこれ以上ない展開のレースだったかなと思います。

菅波:本当に嬉しいです。僕はSUPER GTでチャンピオンを獲るのは初めてなので、そこがまず嬉しいです。今年は開幕戦で優勝してシリーズランキングを常にリードした状態でしたが、前回のオートポリスラウンドぐらいからチャンピオンを獲れるかどうかを“意識したくなくてもしてしまう”ポイント差だったので、(チャンピオンを)意識して過ごしてきました。このもてぎはチームとしては得意にしている部類だと思うんですけど、そのイメージで入ってきたなかで、昨日の走り出しや予選順位があまり良くなかったので、どうなるのかなという不安が大きかったです。でも、今日の決勝を終えてチャンピオンを獲得できたので、嬉しさも倍増したなと思います。僕は前半スティントを担当して、後半はずっと蒲生(尚弥)選手のタイムをモニターでチェックしながら見ていたんですけど、自分たちではどうしようもない展開で周りの結果次第でしたし、そこがかなりの混戦だったので、残り20周くらいは見るのもしんどかったです。疲れました。

 

 

──今日の決勝レースを振り返って、それぞれのスティントの状況を教えてください。

菅波:予選が14番手でしたが、もっと上にいけると思っていたので、感覚的にはかなり後ろから(のスタート)だなという感じでした。あとはチャンピオン争いをしているマシンが5、6番手付近にいましたので、そことのギャップを作らないことをまず目標にして走っていました。最終戦ということもあって、各車(それぞれの)思いがあるなかでスタートもいつもより激しめというか、みんな“イケイケ”だったので、そこをノーダメージで順位を上げつつ切り抜けられたのは良かったと思います。その後、ミニマムの20周付近でピットに入ることは予定していたんですけど、トップが速くて、前のクルマに詰まっている自分がどんどん離されていっているのが分かっていたので、もどかしい気持ちではありました。ピット作業で前に出るというチーム戦略があったので、自分はそこに向けて確実にクルマをピットに運んで蒲生選手にバトンタッチできたらという思いで……そこも少し我慢しながらでしたが予定通り走れたかなと思います。

蒲生:タイヤを替えるか替えないかは(ピットインの)ギリギリで決断をしなければいけなかったんですが、チームが「フロント(タイヤ)を替えていこう」と言うので、急遽予定を変えてレースに臨みました。そこから先は長かったんですけれども、とにかく後ろに抜かれないように、1周1周速く走ることだけを考えて走っていたので、実際にチャンピオン争いがどうなっているかはまったく把握できていませんでした。チェッカーを受けてからそれを知った状況だったので、僕が走っている時は常にフルプッシュでした。

黒澤:2018年にチャンピオンを獲った時は蒲生選手が誕生日当日だったんですけど、「今日、ボク誕生日なんですよ」って言った菅波冬悟というのがいて、「そうなの!?」って言って、「(チャンピオンを)獲れるか獲れないかは冬悟が“もってる”か“もってないか”じゃないの!?」って言いました。(今回もチャンピオンを)獲ったので、ふたりとも“もっている”ドライバーで、そのドライバーがふたりともがんばってくれたなと。

 

 

──1年の最後になりますので今年を振り返って、2025年シーズンで一番思い出に残っているレースを教えてください。

黒澤:2018年にチャンピオンを獲った時もそうだったんですけど、(今年も)全戦でポイントを獲っているので、どのレースが(一番)というのはなくて……1戦1戦厳しい戦いのなか、勝ち抜いてポイントを積み重ねてきたなと。あとは来年とか再来年に向けて……僕らも2度目のチャンピオンを獲りましたけど、連覇したことはないので、そういうのを目標にしていかなければならないし、強くなっていかなければいけないなと、この会見に出て思いました。どのレースっていうのはないんですけど、今後また強くなりたい、強くならなければいけないって思った最終戦の1戦が記憶に残る一番のレースだったかなと思います。

蒲生:1年を振り返ると、開幕戦で優勝できて、そこから中盤にかけてはサクセスウェイトで苦しいながらもなんとか(レースを)こなして、最後にまたポイントを獲るというかたちで、本当に目標にしていたようなシーズンを送ることができました。クルマのトラブルも一度もなかったので、しっかりメンテナンスをしてくれたチームの方にも本当に感謝しています。相方が菅波(冬悟)選手に代わって、菅波選手もとても速いドライバーなので、各サーキットでどうやって運転するのが速いのかをたくさん話しました。その結果、ふたりとも相乗効果というか切磋琢磨して1年を過ごすことができたので、今までと違うというか、内容の濃いシーズンだったなと思います。

菅波:蒲生選手は「相乗効果」って言っていましたけど、蒲生選手は天才なので、僕としてはついていくのに必死でした。どのサーキットに行っても“バチン”と一発ですごく速いタイムを出してくるので、そこに引けをとらないように走るというのはかなり難しいことでした。印象に残っているといえば、今年から導入されたスプリントレースですね。いつもはドライバーが2人1組で戦うところ、曜日別でひとりずつ走るので言い訳ができないですよね。蒲生選手が1日目を担当して、僕が2日目にいったんですけど、蒲生選手はすごい内容のレースで3位表彰台だったので、かなりプレッシャーがかかりました。でも、同じ3位表彰台を獲れたのはドライバーとして嬉しかったですね。また、(スプリントレースが行なわれた第4戦は)例年だとサクセスウェイトが載った状態でのレースになるんですけど、そこで一度ウェイトを下ろしてレースができたことによって、チャンピオンを獲得できたのかなと思っています。もうひとつは(第6戦の)SUGOで僕、バトルしているなかでスピンして順位を落としてしまったので、本来獲れていた数ポイントをそこで失っているんです。なので、今日のレース中、残り20周ぐらいで蒲生選手が抜かれたり、チャンピオンを獲れなかった時の“足りないポイント”はその僕の(獲り逃した)ポイントだなということで、チャンピオンを獲れなかったら「SUGOの時の僕のせいです」って謝らなければいけないのかなとずっと考えていたので、(チャンピオンになれて)ホッとしました。

 

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