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2025 AUTOBACS SUPER GT第8戦(最終戦)『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝レースが11月2日(日)午後に、栃木県のモビリティリゾートもてぎ(1周4,801m×63周)で行われた。もてぎで繰り広げられた熱戦の末、今季3勝目を挙げたNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)がGT500チャンピオンに輝き、坪井は史上初の3連覇を達成した。GT300クラスではNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)がチーム初優勝。GT300チャンピオンはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が獲得した。
□天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート時(13:00)19℃/24℃>序盤(13:30)20℃/25℃>中盤(14:00)20℃/24℃>終盤(14:30)19℃/24℃>ゴール時(15:00)19℃/23℃。

泣いても笑っても、これがシーズンの最終戦。GT300クラスの決戦は、薄曇りのもと午後1時、いよいよ熱戦の火ぶたが切って落とされた。決勝レースを前に、栃木県警察の白バイ5台、パトロールカー5台による交通安全啓発活動のパレードラップが行われ、そのまま1周のフォーメーションラップを経てスタートが切られた。
レース序盤は、ポールポジションからスタートしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の井口が徐々にギャップを築き、5周を過ぎる頃には後続に5秒を超えるリードを作った。一方、予選2位のNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)の塩津の背後には、No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が迫る。
そして中団では僅差の争いが続いていく。17番手スタートのNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)と19番手スタートのNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が7周目の90度コーナーで接触。777号車はすぐにコースに復帰したが、6号車はグラベルにストップ。これを動ける場所に移動する作業のため、最初のFCY(フルコースイエロー)が導入された。
この直前に52号車は、2番手の5号車をオーバーテイク。しかし、FCY解除と共に5号車が抜き返し、間もなく再度52号車が抜くという激しいバトルを展開。このバトルに乗じて3番手に浮上したのが、チャンピオン争いをするNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)の平手だ。平手はこの順位でゴールすれば、逆転でタイトルを掴むことになる。
対してランキング首位で最終戦を迎えていたNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)の菅波は予選14位スタートから10番手まで上がって、タイトル獲得のためにさら上を目指す。ランキング3位だったNo.7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)は7番手で、No.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗)をオーバー-テイクし6番手に浮上。後半に向けてタイトル争いが、さらに激化する様相をみせる。
19周が終わると、早めのピットインを予定していた車両がピットへ向かう。この19周でピットインし、塩津から木村偉織に交代した5号車はタイヤの無交換作戦を敢行。また27周を終えた52号車は前輪のみ2輪の交換を行うなど、タイヤ交換本数を減らして作業時間を削ったチームが、前半でトップだった61号車に先行することになった。またタイトルの可能性を広げるため、65号車も前輪2輪のみの交換を選択してポジションアップにチャレンジ。


これでピット作業終了組では5号車がトップで、52号車、61号車が続く形になる。ただ地力のスピードに優る61号車の山内は、52号車をかわすとトップの5号車の木村を追う。しかし、5号車はタイヤ無交換にも関わらずペースが落ちず、逆にジワジワと61号車とのギャップを広げていくことになる。
さらに2番手以降のバトルが激化したこともあって、トップを行く5号車と2番手集団との差は徐々に広がり、最終的に木村は9秒近いギャップを築いて、そのままゴールを迎えた。これでNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が最終戦を制した。JGTC全日本GT選手権時代の2001年からシリーズに登場した“マッハ号”が、チーム参戦から22年目にして、ついに初優勝を掴み取った。またチームは2015年からGT300マザーシャシーを使っているが、マザーシャシーの優勝は2018年以来となった。そして塩津も初勝利で、木村は2022年の第8戦もてぎ以来の2勝目となる。
終盤、激化した2位争いは、61号車、52号車、そして666号車、56号車の4台が繰り広げる。特に56号車のデ・オリベイラが3位に入れば、ペアを組む平手のGT300タイトル獲得の可能性が大きくなる。65号車の蒲生はポジションをこの集団の後ろ6番手まで上げていたが、この集団から15秒後方だけに、地力での浮上は絶望的なので、56号車のデ・オリベイラの走りが注視されていた。
ただ61号車もSUBARUモータースポーツで時代を築いたBRZの心臓である水平対向エンジン“FJ20”のラストレースを表彰台で飾りたい。その山内はテールに食いつかれても必死で守り、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が2位でフィニッシュ。3、4位は最終周で52号車を抜いたNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗)、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)となった。
この結果6位でフィニッシュしたNo.65 LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟が、2025年のGT300ドライバーチャンピオンを獲得した。蒲生にとっては2018年以来の2度目、菅波は初めての栄冠となる。また、K2 R&D LEON RACINGにとっても2018年以来の2度目のチームタイトル獲得となった。


