- SUPER GTについて
- ニュース
- レース日程
- 順位
- チーム&ドライバー紹介
【Catch Up 03】
KONDO RACING、参戦2年目のGT300クラスで初優勝!
2006年、SUPER GTシリーズ GT500クラスに参戦を開始したKONDO RACING。2019年からはGT300クラスでのチャレンジにも取り組み、今大会で念願の初優勝を果たしました。No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rをドライブするのは、GT300クラスに初めてフル参戦する藤浪清斗選手、そしてGT500クラスでの参戦経験も抱負で、チームとも長く縁のあるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。彼らによってもたらされた初勝利について、近藤真彦監督にお話しを伺いました。
No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R
近藤真彦監督
・参戦2年目、待望の初優勝となりました
56号車は、いつ優勝してもおかしくなかったと思っているんです。レース後、チームエンジニアとも話をしたんですが、『勝つのは1年くらい遅かったよね』と。そのくらい前に優勝してもおかしくなかった。去年は一度2位(第4戦)になって、途中までタイトル争いもしましたが、優勝自体、あと一歩手がとどきませんでした。なので、チームとしては今回の勝利で勢いをつけてもらい、混戦が続くGT300クラスで活躍して欲しいと思います。
GT300参戦前に、2012年から18年までの間は日産自動車学校と共同でスーパー耐久シリーズのST-XクラスにGT-R NISMO GT3で参戦していました。なので、GT300へはある意味”ステップアップ”でもあります。また、レース活動としては、NISMOはじめ日産本体のバックアップが強いチームなんです。 今日も日産自動車大学校の生徒さんがたくさん来られていました。あとは全国の日産販売会社がサポートしてくれていて、ある意味今日の優勝はサポートしてくださっている日産さんにとっても、56号車の勝利はすごくハッピーなんじゃないかと思いますね。もちろん、僕らも日頃からお世話になっている方々にいい報告がようやくできたのでうれしいし、待っていただいたので正直ホッとしました。
・GT300、GT500両クラスへチャレンジする意義について
両クラスへ参戦するチームはこことARTAさんですが、他のチームでも2台体制などでがんばっているところがりますよね。一方、僕にとって2台でSUPER GTに挑戦することは、目標であり夢でもあったんです。GT300とGT500のマシンを隣同士のピットに並べることがね。同じカラーリングで車両を並べるというのが僕の夢でもありました。
ただ、GT300にも参戦することは、色んなことで決して容易じゃなかったですよ。細かな話は割愛しますが、デビューイヤーはピットも離れ離れでしたから。隣同士でチームを並べるにはGT300でいい結果を残すしかない。去年、ポイントを取って実績を作ったからこそ、今年はこうやって隣同士になれたんです。ある意味、意地もありました。
・今日はチームに馴染みある”JP選手”の活躍が光りました
JP(デ・オリベイラ)はね…(笑)。いいときも、そうじゃないときも、”JP”っていうのがありますね。でも、今日のJPは安心して戦いぶりを見ることができました。クルマもタイヤもすべてがパチン! と合わさった状況では、彼の速さ、強さがしっかりと出ますから。今日のレースは、彼のためにもそれがはっきりと証明できて良かったと思いますね。
・一方、GT500クラスの24号車はトラブルに泣きました
24号車(リアライズコーポレーション ADVAN GT-R)は、ステアリングトラブルで緊急ピットイン。今日は優勝もありえる、と思った矢先だったので、悔しさは半端なかったですね。なんで、こんなときにトラブルが出るんだ、って。もう信じられなかったですよ。これで次に56号車がトラブったなんてことにでもなったら、もうやってられないと思いました。そういう意味で、今回は56号車の勝利にとても助けられました。なので、この優勝で吹いたいい風を次は24号車にも吹かせたいですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【Catch Up 04】
5戦目で優勝という成果を出した脇阪寿一監督が取り組むチーム改革
今大会のGT500クラスを制し、昨年の第6戦オートポリス以来の勝利を飾ったTGR TEAM SARD(※昨年のエントリー名はLEXUS TEAM SARD)。ヘイキ・コバライネンと中山雄一というドライバーのコンビネーションは前回優勝時と同じ。しかしチーム監督は異なり、今年から脇阪寿一氏がTEAM SARDを率いています。昨年まで束ねてきたLEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sでは大嶋和也/山下健太によりタイトル獲得を果たし、今年は新たに老舗TEAM SARDの改革に取り組んでいる脇阪監督。5戦目で優勝という成果を出したレースを終え、ホッとひと息つかれていたひと時にお話を伺いました。
「きつい要求にもスタッフたちは腐ることなくついてきてくれた」
・今年TEAM SARDに加わられてから脇阪さんが行われてきたことをお話しいただけますか?
TEAM SARDは歴史のあるチームですし昨年も優勝していますけど、このチームに加わってすぐに僕は『これはマズいことになっている』と思いました。スタッフたちが思っていることを素直に口に出せないような雰囲気ができてしまっていて、極端に言えばみんながバラバラな方向を向いていました。でも、勝ちたい、向上したい、という気持ちはみんな持っている。そこで、優秀なところは認めながら、ダメなところは言い合って、どんどん改善していこう、成長していこう、と言ってチーム改革をやってきました。言いたいことを言うのに恐々とするところがあるのなら、その部分は監督である僕が守る、ということで。
このチームに入ってから僕は、スタッフのみんなには相当厳しいことを言ってきました。それだけダメだったということだし、そのぶん要求がきついものにならざるを得なかった。でも、彼らは僕の言うことに腐ることなく、僕の言うことを実践し、僕についてきてくれました。そのことには本当にみんなに感謝しています。ヘイキと雄一というふたりのドライバーについてもそうです。ヘイキなんてF1で優勝しているドライバーですけど、そんな彼がF1に出たこともないドライバーの僕が言うことを聞いてくれるんですよ。雄一にしても同じ姿勢です。ありがたいことだなと思っています。
チームと言っても、共同作業と言っても、まずは勝負です。チームスタッフひとりひとりと僕との真剣勝負。僕の言うことを聞くのか聞かないのか。僕が尊敬されるのかされないのか。良いときは選手やチームのおかげですけど、悪いときは監督のせいだと僕は思っているんで。だから僕は「本当に力を示せなかったら僕はこのチームから去ります。責任も取ります」と言ってあります。
僕らは自分のアピールや自分のために仕事をするわけじゃなく、プロがプロとしての仕事を追求するということでこのレース活動をやっているんです。それが僕の考えです。言わば、違う誰かのためにプロとしての仕事をする、と。それが回り回って自分に帰ってきたときにパワーを発揮するんです。そういうことを証明してくれたのがこのチームです。今のTEAM SARDは開幕戦のときよりはずいぶん強いですよ。まだまだですけどね。でも、少なくとも勝負できるだけの力はついてきた。あとは、レースの神様がいて、今日は僕らが神様に助けてもらったのかなと思っています。いや、絶対にいますよ、神様。今日も勝てるチームは何チームかいましたけど、ウチに神様がついてくれたんだと思います。
・それにしても、脇阪さんがいるチームは必ず結果を出しますね?
それをもうちょっと皆さんに分かっていただけるとうれしいです(笑)。いただいたポジションやギャランティに対して、それ以上の仕事を返すという信条で今までやってきたつもりです。ただそれは、ついてきてくれる仲間に恵まれ、チームスタッフに恵まれてきたからこそです。
今回の優勝で、ウチのスタッフたちの目の色もまた変わるでしょう。死んでいた目が生き生きとし出すのを目の当たりにするのは何よりもうれしいですよ。心の中で泣きそうになります。だから僕は、彼らの成績だけでなく彼らの生活も豊かにしたいんです。彼らがチームとコミュニケーションを上手に取れるようになったり、役割分担がきっちりできるようになって、彼らが家族や友人などからも尊敬される存在になるようにしたいと本気で思っています。だから、これでTEAM SARDがもっともっと強いチームになっていったら、今度は彼らの働いている環境やギャランティをより良いものにしてくれるよう、僕が近藤尚史チーム代表に求めに行きますよ(笑)。
上の写真はチーム改革に乗り出したばかりの開幕戦での脇阪監督と彼の言葉に耳を傾けるチームスタッフ、そして中山雄一選手。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第6戦鈴鹿は3週間後!!
2020シーズンで初めてファンの皆様をお迎えして開催した第5戦富士は、スタートから波乱の連続。その中で着実に順位を上げたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが昨年の第6戦オートポリス以来のGT500クラス優勝。そしてNo.56 リアライズ 日産自動車大学校GT-RがGT300クラス参戦2年目で嬉しい初優勝を達成しました。
そして今回GT500クラスで2位入賞を果たしたNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)はドライバーズランキングのトップに浮上、GT500クラスは上位6台11名が10ポイント以内という大接戦となっています。
次戦の舞台は今年2度目の鈴鹿サーキット。今大会に続いてお客様をお迎えしての開催となります。世界屈指のドライバーズサーキットでの熱い戦いを是非現地でお楽しみください。
SUPER GT第6戦は10月24〜25日開催。観戦チケットは只今絶賛発売中です。