- SUPER GTについて
- ニュース
- レース日程
- 順位
- チーム&ドライバー紹介
2023 AUTOBACS SUPER GT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』の決勝レースが、8月27日(日)に三重県の鈴鹿サーキット(1周5,807m×77周)で行われた。気温33度という暑さの中の450kmレースで、予選1位から実質のトップを譲らずGT500クラスで勝利したのはNo.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)だった。またGT300クラスは、No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が今季2勝目を挙げた。
□天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート(14:45)32℃/50℃>序盤(15:15)32℃/50℃>中盤(16:15)31℃/47℃>終盤(17:15)31℃/43℃、ゴール(17:28)30℃/39℃。
2023シーズンも、中盤戦となる第5戦は、気温30度を超える炎天下の鈴鹿サーキットで行われた。このため序盤の路面温度は50度にも達し、これが影響したのか途中3回のFCY(フルコースイエロー)が宣言される厳しい戦いとなった。決勝レースは、午後2時45分に三重県警察の白バイ8台、パトロールカー3台の先導による交通安全啓発パレードにより始まり、そのままフォーメーションラップの後、77周の決勝レースが始まった。
ポールポジションからスタートしたNo.16 ARTA MUGEN NSX-GTの大津弘樹は序盤から着実にリードを広げていき、5周終了時点で2位を走るNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)に約3秒の差をつけた。この時点での3番手は予選3位のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)だった。
一方、後方ではポイントリーダーとしてサクセスウェイトがリミット目前の98kgのNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は6周目に、予選7位のNo.8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が8周目に最初のピットインを行う作戦で上位進出を目論んだ。だが、3号車は思うように周回ペースが上がらず大きく順位を落とした。また8号車は最後のスティントで37号車との接触により車体にダメージを負い、その影響でコースアウトを喫し、さらには修復のためピットに戻ったため、両者のこの試みは結果を結びつくことは無かった。
トップの16号車は11周目に入ったところで、GT300車両にアクシデントが発生したとみるや、この日最初のFCYが宣言される寸前にピットレーンに飛び込み、最初の給油作業とタイヤ交換を行なってコースに復帰した。この時点で6番手のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)も同様の作戦をとったものの、こちらはピット入り口閉鎖に間に合っていなかったとの判定を受け、60秒のペナルティストップによって大きく順位を落とした。
一方、16号車は大胆な策は見事に成功。これで全車が最初のピット作業を終えた時点で、16号車は2番手に30秒もの差をつけることに成功する。その後も16号車は安定したペースで周回を重ね、44周目に2度目の給油と福住仁嶺へドライバー交代を行なって、実質のトップを守ったままコースに復帰する。
これに対し2位の23号車は18周目と42周目にピット作業を行い、2度目の作業の際にドライバー交代を行なって16号車を上回るペースで追い上げを図ったが、最初のピット作業でつけられた差はあまりにも大きく、最後まで16号車のテールを捉えるには至らなかった。
対して最初のピット作業を27周目まで引っ張った17号車だが、早めのピット作業で上位進出を目論んだ3号車に3周にわたって行く手を阻まれ、ペースを上げられない間に15周目に最初のピット作業を行なったNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)の先行を許してしまった。
結局、レースはNo.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)が2番手に10秒045の差をつけて77周を走り切り、ポール・トゥ・ウインを達成。福住は通算5勝目、大津は嬉しいSUPER GT初優勝を手にした。さらに今季からARTAの一員になった16号車としても初優勝。ARTAとHonda NSX-GTに今季初、何よりもHondaのホームコース鈴鹿サーキットで、NSX-GTが勝つのは2018年第3戦以来(8号車NSX-GT)で、来季からCIVIC TYPE-R GTにベース車両が変更されるとあって、鈴鹿ラストレースを最良の形で締めくくることができた。
2、3位はNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)とNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)で、2台のTOYOTA GR Supra GT500が入ることになった。
なお、2番手でゴールした23号車だが、レース後の車検でスキッドブロック(最低地上高を確保するパーツ)が規定以上に削れていたため、違反と判定されて失格となってしまった。これでNissan Z GT500勢の最上位、5位にはNo.1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が入った。
なお、ポイントリーダーとして鈴鹿入りしたNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は結局13位、ランキング2位のNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)も11位と共にノーポイントだった。このためドライバーズランキングのトップ2は変動なし。そして今回優勝したNo.16 ARTA MUGEN NSX-GTの福住/大津組が3位に浮上している。