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【Catch Up_01】
ドライバーの命を守るために
大小かかわらずサーキットでのクラッシュ/アクシデントの際に出動するFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)。車両には消火器やレスキュー用の器材が搭載され、「ドライバー」「ファイヤー&レスキュー」「ドクター」が乗車し、初期消火や救命救急を行なう重要な任務を担っています。今回は、その任務をまっとうするために各大会の公式セッション開始前に必ず行なわれている「救出訓練」を取材してきました。
訓練を重ねて“万が一”に備える
実際のレーシングカーを使って行なわれる救出訓練。今回はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraを使用し、ドライバー役はチームのメカニックが務めました。実際の訓練の様子をご紹介しましょう。
① FRO車両で駆けつけたドクターがGセンサーとドライバーの状態を確認すると同時に、ファイヤー&レスキュー担当者がマシンやその周囲の状況をチェックしてガソリン漏れや出火がないことを確認し、救出作業の安全を確保したうえで、その後の実作業は鈴鹿サーキットのレスキューオフィシャル(4~6人)が担当する。何段階かある救出方法のうち、今回は「レッド2」を想定した救出訓練を行なうことに。
② ET(エクストリケーション=救出)カーで急行した鈴鹿サーキットのレスキューオフィシャルは、まずマシンの屋根のレスキューハッチを外すとともに、ドライバーを救出しやすいようにハンドルやヘッドレストを外す→屋根のレスキューハッチから頭部を保護しながらヘルメットやハンスを外し、首を固定する頚椎カラーを付ける。
③ ドライバーの頭や首を守りながら、バックボードに乗せて車外に救出。その後、ドライバーを全身固定して救急車へ乗せる。
ファイヤー&レスキュー担当の松本和之さん(左)とメディカルデリゲート(責任者)の渡邊水樹先生。救出訓練では救出作業のひとつひとつをしっかり確認して、改善点があればそれを指示したり、効率良くかつ素早く安全に救出できるようアドバイスするなど、各サーキットのレスキューオフィシャルの士気を高めるよう尽力している。
ドライバー役を担当したTGR TEAM WedsSport BANDOHの安東拓海メカは「レスキューの方たちはしっかり連携が取れていて、救出作業がとてもスムーズでした。声をかけながら救出してくれたので、次に何をされるかも分かりましたし、どこも痛くありませんでした」と感想を聞かせてくれました。
どんなレースでもFROやレスキューオフィシャルが活躍するようなクラッシュやアクシデントが起きないことを望むものの、SUPER GTでは万が一の時に備え、このような訓練を毎回行なっています。実際の作業を目にする機会はなかなかないと思いますが、ピットウォークやグリッドにも並んでいますので、ぜひ注目してみてくださいね。