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【Cath Up_01】
不振を払拭し、好転を狙う
近年のSUPER GT/GT300クラスにおいて、絶対的な速さを見せ続けるNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。ただ、今シーズンはトラブルが続き、第4戦時点での獲得ポイントは「3」──しかも、その得点はすべて予選で獲得したものである。その不振の理由や今後の展望について、チームを率いる小澤正弘総監督に話をうかがった。
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No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
小澤正弘 総監督
「強いSUBARUを見せたい」
──予選ではここ数年、常に速さがあって「さすが61号車」という状況が続いてきましたが、今シーズンは予選方式が変更になりました。これまでの予選を振り返って、どのように評価されていますか?
「やっぱり合算方式になったのが響いていて、「山内と井口の差」というよりも、タイヤの特性上、ダンロップは1発目のピークがすごく高いけど2発目が出しにくいというのがあって、2回のタイムをビシッと上で揃えるというのが難しい。それもあってトップは獲り切れないんですけど、でも悪くはないですよね? 2番手とか3番手とかいいポジションは獲れています。
給油時間が長いので、我々の戦い方としてはとにかくトップに立って逃げないとレースにならないというところなんですが、第3戦からBoP(性能調整)が緩和されたので、そこからは非常に戦いやすくなるだろうなと思っていました。それも含めて第3戦は結構いいレースだったんですけどね。“ここから追い上げられるぞ”というところでギヤボックスのトラブルが出てしまって……惜しかったなと。あそこでうまく噛み合ってくれていればよかったんですけれども」
──その決勝では苦戦している印象があります。ここまでの3戦を振り返っていただけますか?
「初戦の岡山はブレーキにトラブルが出て追突してしまい、当たったショックもあってエンジンのオイルラインが緩んで走り切ることができませんでした(26位完走扱い)。次がガス欠(15位)。その次がミッショントラブルでした(リタイア)。チームのみんながやるべきことをしっかり精度高くやってくれているなかで、運がないというか、どうしてこうなるんだろう? というトラブルでした。ただ、どれも引きずってしまうようなトラブルではなく、ひとつひとつクリアになっています。
チャンピオンを獲った2021年よりも今の方が運用精度が高くて、みんなも攻め切ったところで仕事をしているんですけど、攻めすぎているところもあるのかなと、もう少し余裕をもって対応してもちゃんと戦えるんじゃないかなと、そこは自分の責任を感じています。GT300はBoPがどんどん良くなって各車拮抗してきているので、そう簡単に勝てません。そのなかで勝ち続けていくことを考えると、そういうところをしっかり追いかけていかないといけないなと。どこが限界なのかをちゃんと見極めながらやらないといけないなと思っています。例えば、第1戦ではピットストップの時にブレーキのエアを噛んでしまったんですけど、「前を追いかけなくていいよ」でよかったと思うんですけど、さすがに僕もそうは言えなくて……。チームとしては非常にいい仕事をしてくれているので、どこかでちゃんとギアが噛み合えば、一気に好転するんじゃないかなと思って、そこをみんなで一生懸命やろうとしているところです」
──今大会は順調ですか?
「クルマのセットアップとか速さとかタイヤのライフの部分では順調にきているので、うまいレースができればいいなと思っていますけど、予選結果を見ると、前後に直線の速いFIA-GT3車両にガッツリ囲まれているので、これは簡単なレースではないなと思っています(苦笑)」
──GT300は参加車種が多く、クルマの特性も違うので得意不得意なコースがあると思うんですけど、61号車にとって難しいのは?
「やっぱり富士のようにパワーで勝負する、パワーでタイムを稼ぎにいくようなところは厳しいですね。今回も、暑くなってコーナリングスピードが落ちて、ブレーキからターンインのコーナリング速度で勝負しているクルマが全部(予選で下位に)落ちてしまいましたよね。そうなると、なかなか戦いようがない。特にレースは混戦になって、ブレーキで前に詰まると立ち上がりでも詰まって後ろから抜かれるだけになってしまいますから。でも、それはサーキットごとに特性が違って、鈴鹿やSUGOはコーナリングスピードの速い方がいいし……そこはみんなにとってイコールなのでしょうがないんですけどね」
──今回はどのようなレースにしたいですか?
「第1戦、第2戦、第3戦とチェッカーを受けられていないので、まずはチェッカーを受ける。ただチェッカーを受けるんじゃなくて、ジワジワと順位を上げながら強いSUBARUを見せてゴールしたいですね」
──最後に、いつも熱い声援を送ってくださる熱烈な“スバリスト”に対してメッセージをお願いします。
「富士スピードウェイのサーキット特性などもあって簡単ではないんですけど、まずは力強い走りを見せたいですね。それと、ここから続く鈴鹿、SUGO、オートポリスは我々が比較的得意としているコーナリングサーキットが続きますので、そこにつながるようにしっかりとしたレースをお見せしますので、ぜひご期待ください」