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□公式練習 天候:雨| コース:ウェット | 気温/路面温度:開始前17℃/20℃(9:00)、中盤16℃/19℃(10:00)、終盤16℃/19℃(10:30)、終了17℃/20℃(11:00)
公式予選日を迎えたスポーツランドSUGOは朝から雨が降り続き、気温は20℃を下回るコンディション。このためライトオンの指示が出され、9時15分にコースオープンされるが、途中何度も赤旗中断となる大荒れとなった。
開始5分ほどでGT300車両がクラッシュ。最初の赤旗が提示される。コース修復も要するクラッシュで、コースマーシャルの素早い作業により走行は9時37分に再開されたが、雨が強くなり2度目の赤旗が9時44分に出された。
天候の回復を待って9時53分に走行は再開。ここでようやく各車レーシングスピードで周回を重ねる。まずはNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)が1分30秒945でトップに立つと、その後はNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が1分28秒383、No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)が1分28秒341、No.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が1分27秒729と目まぐるしくトップが入れ替わる展開となる。
開始から50分あまりが経過し、No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)の大湯が1分24秒980を叩き出してトップに浮上する。ところがその直後にGT300車両が4コーナーで飛び出したため、この日3度目の赤旗が提示される。10時16分に一旦は走行再開となったが、再び雨が強まったために10時31分に4度目の赤旗が出される。
さらに10時45分から行われたGT300クラスの専有走行においても2度の赤旗中断があったことから、今回の公式練習は6度目の赤旗をもって全終了となり、残念ながらGT500の専有走行は行われなかった。
これにより、公式練習のトップはNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)、2番手はNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)、そして3番手にNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)とTOYOTA GR Supra勢が上位3台を占める結果となった。
Nissan Z NISMO GT500勢の最上位はNo.12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)の5番手。No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)がHonda CIVIC TYPE R-GT勢最上位の6番手につけている。
GT300クラスの走行では開始5分ほどで、早々に波乱が発生。昨年の第6戦SUGO勝者でチャンピオンであるNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が走行3周目のSPアウト立ち上がりでスピン。マシンは後方からイン側のタイヤウォールにクラッシュしてしまった。これで赤旗が提示され、走行は中断。52号車はマシン後方をかなり損傷し、この後の走行はできなかった。セッション再開後もスピンしてコース外に出たり止まったりする車両が見られ、路面状況は厳しい状況。
この悪状況の中、好タイムを出していたのがNo.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)だ。履いているタイヤが雨に定評あるミシュランだけに、1分35秒317でクラスリーダーどころか、この時点でGT500クラスの下位にも食い込む速さを見せていた。これに前戦、第4戦富士優勝のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)、No.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が続いていた。
この後、雨が強くなって9分ほど中断する。走行が再開すると、徐々にペースが上がってくる。No.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が1分34秒710でトップに浮上。すぐに65号車が1分33秒961で逆転し、さらに32秒614まで刻んでいく。しかし、SUGOでの最多ポールポジション5回を誇るNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の山内が32秒592を出せば、20号車の平中が1分31秒553でトップを奪い返す。
この2台の予選さながらのアタック合戦は10分ほど続き、61号車が1分30秒136を出せば、20号車が29秒389とトップタイムを更新。結局、この20号車のタイムが公式練習の最速となった。この戦いの直後、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)とNo.30 apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)がコースアウトしてストップ。これでまたも赤旗となってしまった。
走行が再開するが雨量が増えて、各車のペースはダウン。雨量増加で中断となるが、両クラスの専有走行を行うべく状況改善を待って再開する。ここでもNo.22 アールキューズ AMG GT3(和田久/城内政樹)、No.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)がスピン、クラッシュしてしまい、またも赤旗に。結局、この赤旗をもって公式練習は終了となった。
大湯 都史樹(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)
「ベストではないが、調整したことがそれなりに結果として繋がった」
クルマは最初走り出してから何度かアジャストしたんですが、満足しているかというとそこまで合わせきれていないっていう感じです。そのなかで、まずは(雨がひどくなって)走れない可能性があることを考慮して序盤にタイムを出しておかなければと思っていました。とりあえずベストではないものの、調整したことがそれなりに結果として繋がったのかなと思います。
僕がタイムを出したときは、雨量もさほど多くなく、一番タイムが出しやすい状態でした。ただ雨量が増えると、かなり苦しい展開になるので走れない。タイヤだけでなく車高も影響して、地面からクルマが離れるという現象が起きやすいのでなかなか難しい状況です。タイヤもうまく調整できたとはいえ、それでも今日の気温に見合ったものではないので合わせきれていないというのが正直なところです。ドライバーもチームもクルマも、合わせられる範囲で合わせて結果を出したなかでトップを獲れたという感じですね。
これから予選に向けてさらに調整を進めていくことになりますが、明日の決勝も雨が残った場合は、やっぱり36号車が速いんじゃないかと思います。タイヤとしてもうまく温めることがキーになってくる。このセッションでは温まりきらなかったので、どう温めるのか、”その術”を見つけないと。そうしないとレースペースで離される可能性がある。やれること、分析できることを走っていない時間を活用して準備していきたいです。
平中 克幸(No.20 シェイドレーシング GR86 GT)
「セッションが始まってから常にプッシュし続けた」
ここ(スポーツランドSUGO)でGT300のテストをした時もウエットだったんですけど、その時も調子良くて、すごく自信を持っていました。今回の天気予報を見ながら、走れるくらいの雨なら上位でいい戦いができるだろうなと思っていて、公式練習ではそのとおりに走れたので良かったと思います。
予選ができない場合には公式練習のタイムが予選のタイムになるということだったので、セッションが始まってから常にプッシュしていました。セットアップもやりたかったんですけど、雨の状況がよく分からなかったですし、フィーリングも悪くはなかったので走り続けたという感じでした。
予選でも(公式練習と)同じような雨なら調子良く走れると思うので、あとはコンディションやタイミングの見極めをしっかりやって、そこを逃さないように走りたいと思います。
決勝はウェットコンディションでの調子は維持しつつ、ドライになってもしっかりと戦って、去年はここで表彰台に上がっていますし、表彰台争いをして優勝を勝ち獲りたいですね。