- SUPER GTについて
- ニュース
- レース日程
- 順位
- チーム&ドライバー紹介
□公式練習 天候:晴れ| コース:ドライ | 気温/路面温度:開始時(9:10)11℃/12℃、中盤(9:45)11℃/13℃、GT300専有時(10:45)12℃/17℃、終了時(11:00)12℃/18℃。
公式練習は午前9時15分より混走85分間、専有走行各10分間で行われた。この日の鈴鹿は朝から好天に恵まれ、路面はドライ。しかも12月開催で気温は11度と低くエンジンには良いコンディションで、しかもサクセスウェイトなしという好条件だ。一方で路面温度が低いだけにタイヤのマッチングでは不安もある。その中、早くも2クラス混走の時点から第3戦鈴鹿大会の予選をも上回る好タイムが相次いで記録された。
まずはNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)の太田が7周目に1分45秒063を記録。これをNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が10周目に1分44秒608を記録して上回る。さらにNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)が1分44秒579を14周目に記録してトップに浮上。この時点でCIVIC TYPE R-GT勢がトップ3を占める。
ドライバーランキングのトップであり、最終戦で連覇を狙うNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は7周目に1分45秒086を記録し、この時点で5番手につけている。その後は各車ドライバー交代を行い、ロングランに移行するが、開始から間も無く1時間が経過しようというところでGT300車両のスピンアウトにより赤旗が出され、セッションは中断された。
コースアウト車両の復帰後、午前10時20分に走行は再開。その後、混走残り5分を切ったところでフルコースイエローが宣言(テスト施行)されたが、それ以外に大きなアクシデントなどは起きずに混走は終了。GT300クラスの専有走行が赤旗で終了となった影響もあり、GT500クラスは定刻より2分遅れの午前10時52分より専有走行を行なった。
専有走行では気温、路面温度ともにわずかに上昇し、多くのチームが予選を想定してニュータイヤでのタイムアタックが行われた。さらなるタイムアップが期待されたが、その結果は想像を遥かに上回るものだった。
まずはNo.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)の三宅が1分44秒114を叩き出す。これは2022年に国本雄資が記録した1分44秒112のコースレコードまでわずか0.002秒差に迫るものだ(公式練習のため非公式)。だが100号車の牧野が記録したタイムは1分43秒874。コースレコードを上回るだけでなく、公式練習の段階で早くも1分43秒台という未知の領域にまで踏み込んできた。
さらに17号車の塚越はその牧野をも上回る1分43秒840を叩き出して、再びのトップに浮上する。
終わってみればAstemo CIVIC TYPE R-GTとNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT、2台のCIVIC TYPE R-GTがHondaのホームコースである鈴鹿でワン・ツー。3番手にNo.3 Niterra MOTUL Zが入り、ポイントリーダーのNo.36 au TOM'S GR Supraが4番手となった。
トップ2がずば抜けた速さを見せたとはいえ、4番手までの差もわずか0.335秒。そして9位までがトップから1秒以内という僅差で午後の公式予選に臨むこととなった。
GT300クラスでも、各車は念入りにタイヤを温める車両があれば、序盤はコースに出ないチームもあった。その中で、まずターゲットになるトップタイム1分56秒142を記録したのはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)。まだ後続は2分台だったが、次の周に山内は56秒060まで刻んでくる。
セッション序盤で、61号車に続いたのはドライバーランキングのトップにつけるNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)で、1分57秒456を蒲生が記録。これにNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)、No.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)となる。
65号車とタイトルを争うランキング3位のNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は走行開始から4分ほど遅れてコースに出る。堤は4周のウオームアップで1分59秒911を出すと、次周に56秒台、さらに1分55秒839を記録してトップに立った。
そして同ランキング2位のNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)はセッション序盤を走らず、9時30分を過ぎてからコースイン。小暮は5周を掛けてタイヤを温めると、1分56秒127を出して3番手に躍り出た。
セッション中盤を過ぎて61号車が3回目のアタックで1分55秒763と2号車のベストタイムを上回り、トップに復帰。これでトップ3は61号車、2号車、88号車となる。さらに6号車、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が続き、65号車はその後ベストタイムの更新はなく、7番手まで後退することになった。
10時12分にNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R(大滝拓也/荒川燐/田中篤)がスプーンコーナー出口でコースアウト。車両がグラベル(砂地)にはまって動けなくなったため、この救出のため赤旗が提示され走行が中断した。
10時20分の走行再開から、GT300クラスの専有走行(10分間)となった。だが、各車がタイムアタックに入ると思われた頃に、No.48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R(井田太陽/眞田拓海 /伊藤鷹志 )が日立Astemoシケインでコースアウト。コースに戻る際に排気管から出たバックファイアで枯れた芝生が燻るアクシデントがあり、再びの赤旗に。これでGT300クラスの専有走行は、このまま終了となった。
このためか、専有走行でのタイムアップ車両はなく、混走でのタイムで公式練習の順位は決着。トップタイムはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)で、タイトルを争う2台のNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が2、3番手に続く形になった。一方で、ドライバーランキング1位のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)は7番手となった。
塚越 広大(No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT)
「最終戦は勝って終わりたい」
ここまで僕たち17号車はスピードがある時に結果が残らなかったりとか、今年は不本意なシーズンを送ってきたので、最終戦は勝って終わりたいという思いが強いんですが、最終戦に向けて、チームのみんながしっかりクルマを用意してくれましたし、いい状態で(サーキットに)入ることができました。
そのおかげもあって公式練習でもトップタイムを出すことができましたし、クルマの調子の良さは分かったので、さらに予選でしっかり戦えるように油断せずにいきたいと思っています。この好調さをまずは予選でしっかり結果につなげていきたいですね。それに、こういう(寒い)時期に走れることはなかなかないので、それを楽しむ気持ちとプレッシャーを感じながら予選を迎えたいと思います。
山内 英輝(No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT)
「温まりのいいダンロップタイヤにも助けられた」
クルマもタイヤも、自分自身も含めていい感じです。ダンロップタイヤの特性として、もともとウォーム(温まり)がいいということもあるんですが、このコンディションのなかではそれにもすごく助けられていると思います。
公式練習でトップを獲ることができましたし、予選では良い流れを作って、明日の決勝はその良い流れのなかでスタートして、笑ってシーズンを終えられるようにしたいですね。もちろん勝ちたいですし、ポールポジションも獲りたいので、そこを狙っていきますけど、これまでいろいろなことが起こってきたなかでの“いま”なので、全員がベストを尽くして、しっかりチェッカーを受けて、それが最終的にいいポジションになるように、まずは集中して予選に挑みたいと思います。