SUPER GT 2025 SERIES

JAPANESE FIA-F4 CHAMPIONSHIP

News

【2025プレイバック】第2回 GT300クラス総集編その2「後半戦も毎戦勝者が変わる中、65号車が確実にポイントを重ねて7年ぶりのタイトル獲得!」

 

 

GT300クラス後半戦でもNo.65 LEON PYRAMID AMGが着実に得点!
No.65 K2 R&D LEON RACINGが7年ぶりのGT300タイトルを獲得する!!
56号車GT-Rは惜しくも頂点を逃す

 2025年のAUTOBACS SUPER GTは、毎大会で勝者が違う激闘が繰り広げられた。昨季は88号車ウラカンGT3(今季の0号車)の3連勝などあったが、今季後半戦は毎戦勝者が変わり、波乱のレースが連続した。
 その中で、着実にポイントを重ねていったのが、No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)とNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)だ。この2台は最終戦もてぎでも奮闘をみせ、わずかなポイント差で65号車が逃げ切って2度目のGT300チャンピオンに輝いた。
 今年もGT300クラスの2回、GT500クラスは3回の、計5回でお届けする総集編「2025 シーズンプレイバック」。
 第2回は「GT300クラス総集編その2」として、GT300クラスの後半4戦をレビューする。

※レポートの周回数はGT300クラスの数値です。決勝上位のドライバー名に※印がある第3ドライバーは決勝を走行していません。

 

Round 5 SUZUKA GT 300km RACE
鈴鹿サーキット

公式予選:8月23日(土) 天気:晴れ コース:ドライ 決勝レース:8月24日(日) 天気:晴れ コース:ドライ

CARGUY FERRARI 296 GT3が逆転で歓喜の初優勝
予選2位も後半で小林がトップを奪って逃げ切る!

 

 予選ではQ1のA組でNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)のオサリバンが、B組ではNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の井口がトップを獲得。Q2でもこの7号車(小林)と61号車(山内)の勝負となる。そして速さが自慢の61号車が、今季初参戦の7号車を振り切ってポールポジションを獲得。山内は自身が持つポールポジション最多記録を15回に伸ばした。

 決勝レースは、61号車の井口がポールポジションからトップを快走。しかし7号車のオサリバンが僅差で続く。その後方にはNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)、No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)と予選順で連なる。
 トップ争いは中盤に入っても61号車が先行し、少しずつ7号車を引き離していく。18周目に追う7号車が先にピットインして、小林にドライバー交代。対する61号車も23周目で山内に代わる。このピットインのタイミングと交代後の7号車・小林の速さで、クラス全車がピット作業を終えると7号車は2番手と変わらなかったが、61号車は5番手とポジションを落としていた。そしてレース後半にトップに立ったのは、No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)の吉本だった。だがそれもスピードに勝る7号車がパスしていく。
 終盤は好調なペースで7号車の小林がリードを広げて、最終的には大差をつけて優勝。今季初参戦のCARGUY MKS RACINGと小林&オサリバンにとって嬉しい初勝利となった。2位には60号車が入ったが、レース後の車検で最低地上高が違反と判定されて失格となる。代わって、終盤に盛り返した61号車が2位に。そして予選3位と得意な鈴鹿で速さを見せていたNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が3位となった。
 ランキング首位のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)は、厳しいサクセスウェイト(SW)100kgで予選13位からのスタートとなり、決勝も同じ13位となる。今季は15位までポイントが獲得できるため、開幕戦からの連続ポイントとランキングトップの座を死守した。

 

 

GT300クラス 決勝結果

順位 No. チーム / マシン ドライバー ラップ ベストラップ タイヤ SW
1 7
チーム
CARGUY MKS RACING
マシン
CARGUY FERRARI 296 GT3
ザック・オサリバン 小林 利徠斗 49 1’59.717 1:48’25.177 yokohama 39
2 61
チーム
R&D SPORT
マシン
SUBARU BRZ R&D SPORT
井口 卓人 山内 英輝 49 2’00.140 17.452 dunlop 46
3 5
チーム
TEAM MACH
マシン
マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号
塩津 佑介 木村 偉織 49 2’00.044 23.254 yokohama 34

予選ポールポジション:1’56.869 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内 英輝)
決勝ファステストラップ:1’59.717 No.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(小林 利徠斗)

>> 第5戦鈴鹿 リザルト

 

 

Round 6 SUGO GT 300km RACE
スポーツランドSUGO

公式予選:9月20日(土) 天気:曇り コース:ドライ 決勝レース:9月21日(日) 天気:曇り/晴れ コース:ドライ

新型車のSyntium LMcorsa LC500 GTが予選2位から優勝
56号車の追撃を振り切り、前戦失格の雪辱を果す

 

 予選のQ1は、A組では前戦の優勝でSWが89kgになったNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)のオサリバンがそのハンディを感じさせない走りでトップを獲る。B組のトップはNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)の河野だ。今季は新車LC500を導入したが、前戦鈴鹿は決勝2位も最低地上高の違反となり失格。今回は雪辱に挑む形だ。Q2でもこの2台が競って、7号車の小林が初ポールポジションを獲得。60号車は予選2位となった。

 決勝スタートはポールポジションの7号車のオサリバンが逃げるが、60号車の吉本も僅差で追走する。5周でGT500クラス勢が追いついて混走になり、これでSWが大きいせいか7号車のペースが落ちて、60号車がトップを奪った。対して7号車はNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)にもパスされてさらに後退した。
 また、予選8位だったNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)の菅波は、No.45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/篠原拓朗)と接触してスピン。これで22番手まで落ちてしまった。
 トップ争いは60号車と追い上げる4号車、そして予選7位から上がって来たNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)との争いに絞られる。ピット作業は、先に60号車が行なって河野に交代。続いて56号車が入り、4号車は遅らせる作戦を採った。
 終盤に入って、複数台が絡む大きなアクシデントが発生。この4台が絡む事故で赤旗が提示されて、レースは一時中断となった。
 幸いドライバーに大きな怪我はなく車両回収とコース修復を経て、約1時間後にレースが再開。この遅れで予定周回数(84周)の達成は難しくなり、午後4時30分(最台延長時間)までのタイムレースとなった。
 再開後、トップ争いは60号車と56号車に絞られた。守る60号車(河野)を攻める56号車(デ・オリベイラ)の激戦はタイムアップまで続いた。最後は0.660秒差で60号車が逃げ切って優勝。前戦失格からの雪辱を果たし、2021年最終戦以来の勝利となった。2位は56号車、3位には予選9位から上がってきたNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)となった。
 一時22番手まで落ちたランキングトップの65号車はスピン後、菅波の巻き返しと後半の蒲生の追い上げもあって、結局ポイント圏内の12番手でゴール。上位車のタイムペナルティもあって11位に繰り上がる。2位の平手がランキング2位に浮上も、蒲生/菅波組が貴重な5ポイントを加算して首位の座をキープした。

 

 

GT300クラス 決勝結果

順位 No. チーム / マシン ドライバー ラップ ベストラップ タイヤ SW
1 60
チーム
LM corsa
マシン
Syntium LMcorsa LC500 GT
吉本 大樹 河野 駿佑 67 1’18.945 2:46’10.998 dunlop 8
2 56
チーム
KONDO RACING
マシン
リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 平手 晃平 67 1’19.183 0.660 yokohama 89
3 666
チーム
seven × seven Racing
マシン
seven × seven PORSCHE GT3R
近藤 翼 ハリー・キング 66 1’19.308 1 Lap yokohama 45

予選ポールポジション:1’16.968 No.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(小林 利徠斗)
決勝ファステストラップ:1’18.945 No.60 Syntium Lmcorsa LC500 GT(吉本 大樹)

>> 第6戦SUGO リザルト

 

 

Round 7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
オートポリス

公式予選:10月18日(土) 天気::雨 コース:ウェット/ドライ 決勝レース:10月19日(日) 天気:曇り コース:ドライ

新チームのseven × seven PORSCHE GT3Rが初優勝を飾る!
タイトルを争う56号車は4位、65号車は6位で決着は最終戦へ

 

 予選日は午前の公式練習終了直前から断続的に雨が降り、午後には上がったもののコースはまだ一部濡れた状況だった。Q1のA組はここまで好調のNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太※)のオサリバンが、B組ではNo.0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)の元嶋がトップを獲得。コースがほぼ乾いたQ2では7号車の小林が2戦連続のポールポジションを獲得し、予選2位は0号車(小暮)がつけた。また、この大会はSWがポイント×1kgと軽減されたこともあって、ランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)も前戦のSW100kgから69kgになって予選4位と好位置に戻ってきた。

 決勝レースは曇り、コースはドライコンディション。ポールポジションの7号車の小林が逃げて後続との差を広げたが、7周目にGT500車両にアクシデントがあったことで、セーフティカー(SC)が導入され、マージンはリセットされてしまう。今回の決勝は3時間レースで給油を伴う義務ピットインは2回。そのため、このSC解除早々からピットインを行うマシンが現れた。
 まずピットインしたのはトップを走る7号車。続いて0号車もピット作業に入るが、ここで後輪2本交換&ドライバー交代なしの作戦を採ってトップに出る。これで2回目のピット作業まで、0号車(元嶋)と7号車(小林)のトップ争いが続いた。
 そして2回目のピット作業で0号車に思わぬ事態が生じた。ピットに向かう際に他のGT300車両がストップしたためFCYとなったが、これが幸いしてトップをキープして、さらにピットインのロスタイムでも利を得ることに。だが、FCY中の速度違反に加えて黄旗区間での追い越しと2つの違反が判明し、ドライブスルーペナルティが2回となり、3番手まで下がる。これでトップに立った7号車だが、こちらも黄旗区間での追い越しがあってドライブスルーペナルティに。
 それでもマージンがあった7号車(小林)はトップをキープする。2番手には予選5位から上がっていたNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗/近藤翼※)の藤波がつけたが、7号車のペースには及ばない。これで今季2勝目かと思われた7号車だったが、なんと燃料が足りず緊急のピットイン。最低限の給油でコースに戻って2番手は何とか確保した。
 この幸運にも助けられた666号車がトップでチェッカーを受けた。チームとキングは今季初参戦で当然の初優勝。藤波にとっては2022年開幕戦以来の6勝目となった。2、3位は7号車と0号車となった。
 そしてタイトルを争うランキング2位のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)は決勝4位、ランキングリーダーの65号車は6位という結果となる。これで蒲生/菅波組はランキング首位を守るも、56号車の平手との差は1.5点と縮まって最終戦もてぎでの決戦となった。

 

 

GT300クラス 決勝結果

順位 No. チーム / マシン ドライバー ラップ ベストラップ タイヤ SW
1 666
チーム
seven × seven Racing
マシン
seven × seven PORSCHE GT3R
ハリー・キング 藤波 清斗 近藤 翼 95 1’47.192 3:02’01.705 yokohama 39
2 7
チーム
CARGUY MKS RACING
マシン
CARGUY FERRARI 296 GT3
ザック・オサリバン 小林 利徠斗 澤 圭太 95 1’46.059 32.148 yokohama 54
3 0
チーム
JLOC
マシン
VENTENY Lamborghini GT3
小暮 卓史 元嶋 佑弥 95 1’46.952 41.692 yokohama 33

予選ポールポジション:1’43.496 No.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(小林 利徠斗)
決勝ファステストラップ:1’46.059 No.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(小林 利徠斗)

>> 第7戦オートポリス リザルト

 

 

Round 8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL
モビリティリゾートもてぎ

公式予選:11月1日(土) 天気::晴れ コース:ドライ 決勝レース:11月2日(日) 天気:曇り コース:ドライ

マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が参戦22年目で初優勝!
チャンピオンは予選14位から6位に上げたLEON PYRAMID AMGが獲得!!
56号車GT-Rは決勝4位でタイトルにあと1歩届かず

 

 2025年のチャンピオンが決まる最終戦もてぎ。自力でドライバータイトルの権利があるのはポイントリーダーのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)と、ランキング2位のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(平手晃平)、そしてNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)までが4.5ポイント差だった。

 予選では、Q1のA組でNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の井口が、B組ではNo.11 GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)の富田がトップタイムとなる。そしてQ2では61号車の山内がポールポジションを決め、自身の最多記録を16回と更新する。山内は「EJ20(BRZのエンジン)が今季で最後なので最終戦の予選でポールポジションを獲れたことをすごく嬉しいです。あと1週間以内に妻が出産というのもあって、さらに嬉しいですね」とポールポジションの感想を語った。
 タイトル争いのチームでは、56号車の予選4位が最上位。これに対して7号車は10位、65号車は14位と厳しい位置となった。65号車の黒澤監督は「決勝を見据えてタイヤを選んだので、予選は厳しいと思っていましたが、ここまでとは正直思っていませんでした。でも決勝重視で戦略を組んでいるので、我々ができるレースをしっかりとやるだけです」と、決勝での巻き返しを表明した。

 決勝レースの序盤は、ポールポジションの61号車の井口が順当にリードを広げ、予選2、3位のNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)の塩津、No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)の野中が続いて、抜きつ抜かれつのバトルを展開する。その後ろには56号車のデ・オリベイラがつける。この時点の65号車の菅波は12〜11番手。7号車のオサリバンは8〜7位と上がっていたが、このままなら56号車の平手がタイトルを獲得となるので、無理せず状況を見守ってるようだった。
 19周にまず2番手の5号車が早めにピットへ向かう。ここで彼らはタイヤ無交換作戦を出る。一方、61号車は26周までピットインを延ばし、52号車は27周で、前輪の2輪交換を採った。また65号車は20周でピットインし、前輪2輪交換でこの時点の11位からジャンプアップを狙っていく。
 上位陣がピット作業を終えると、トップは5号車の木村で、これに52号車(吉田)、61号車(山内)という戦いになる。この中で、61号車が52号車を抜き2番手に浮上。これでトップの5号車に近づくかと思われたが、タイヤ無交換でも5号車の木村のペースは安定しており、61号車との差は容易に縮まらず、逆に開いていく。結局、5号車が逃げ切ってフィニッシュ。TEAM MACHとしては参戦22年目にして初優勝を達成した、また塩津も初優勝で、木村は2022年最終戦以来の2勝目を挙げた。2位は61号車、3位には最終周で52号車を抜いたNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗)が入った。

 チャンピオン争いでは、65号車は後半を蒲生が担当。レース終盤は6番手まで巻き返していた。7号車は7番手とすでに望みが薄い状況。対して、56号車の平手は4番手。目前には2、3番手の52号車と666号車も捉えており、1台抜いて3位でフィニッシュすれば逆転タイトルとなる。平手は懸命にアタックを続けるも、パッシングは叶わずレースは終了し、タイトルには届かなかった。

 

 

GT300クラス 決勝結果

順位 No. チーム / マシン ドライバー ラップ ベストラップ タイヤ SW
1 5
チーム
TEAM MACH
マシン
マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号
塩津 佑介 木村 偉織 59 1’49.360 1:52’23.835 yokohama  
2 61
チーム
R&D SPORT
マシン
SUBARU BRZ R&D SPORT
井口 卓人 山内 英輝 59 1’48.018 9.217 dunlop  
3 666
チーム
seven × seven Racing
マシン
seven × seven PORSCHE GT3R
ハリー・キング 藤波 清斗 59 1’49.232 9.710 yokohama  

予選ポールポジション:1’45.192 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内 英輝)
決勝ファステストラップ:1’48.018 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人)

>> 第8戦もてぎ リザルト

 

 

GT300クラスチャンピオン会見ダイジェスト

No.65 LEON PYRAMID AMG
蒲生尚弥

 気持ちとしてはホッとしているのが大きいです。最終戦のレースはペースが厳しくて、自力でなんとかなるような展開ではなかったんですが、そのなかでもちゃんと持てるすべてを使って、予選順位(14位)から決勝順位(6位)を上げることもできましたし、もうこれ以上ない展開のレースだったかなと思います。とにかく後ろに抜かれないように、1周1周速く走ることだけを考えて走っていたので、実際にチャンピオン争いがどうなっているかはまったく把握できていませんでした。チェッカーを受けてからそれを知った状況です。
 1年を振り返ると、開幕戦で優勝して、中盤戦にかけてはサクセスウェイトで苦しいながらもなんとか(レースを)こなして、最後にまたポイントを獲るというかたちです。本当に目標にしていたようなシーズンを送ることができました。クルマのトラブルはなかったので、しっかりメンテナンスをしてくれたチームにも本当に感謝しています。今年は菅波選手になって、彼もとても速いドライバーなので、各サーキットでどうやって運転するのが速いのかをたくさん話しました。その結果、相乗効果というか切磋琢磨して1年を過ごせたので、今内容の濃いシーズンだったと思います。

 

菅波冬悟

 本当に嬉しいです。僕はSUPER GTでチャンピオンを獲るのは初めてなので、そこがまず嬉しいです。今年は開幕戦で優勝からランキングを常にリードしたのですが、前戦のオートポリスからチャンピオンを“意識したくなくてもしてしまう”状況でした。最終戦もてぎはチームとしては得意にしている部類だと思いますが、昨日(予選日)の走り出しや予選順位(14位)があまり良くなかったので、不安が大きかった。でも、決勝を終えて(6位となり)チャンピオンを獲得できたので、嬉しさも倍増でした。
 印象に残っているレースは、第4戦のスプリントレースです。1日目を蒲生選手が担当して、すごいレース内容で3位表彰台だったので、2日目の僕にはすごくプレッシャーがありました。でも同じ3位を獲れたのはドライバーとして嬉しかったです。そして第6戦のSUGO。僕が(前半のバトルで)スピンして順位を落として、獲れていたはずの数ポイントを失っているんです。なので、最終戦では終盤に順位を下げたり、チャンピオンを獲れなかった時の“足りないポイントは、その僕の(獲り逃した)ポイントだな”と。これで獲れなかったら「SUGOの僕のせいです」って謝らなければと考えていたので、(チャンピオンが獲れて)ホッとしました。

 

K2 R&D LEON RACING
黒澤治樹 監督

「嬉しい」という単純な言葉で片付けていいのかというくらい嬉しいです。自分でファクトリー(レースガレージ)を構えて、チームオーナーと一緒に組織を作り、最初は自分のスタッフとともに、自分がドライバーとしてチャンピオンを獲って、今年は監督としてチャンピオンを獲らせていただいて“これ以上なにがあるんだ!?”というくらいの目標を達成できました。
 2018年にチャンピオンを獲った時も(そして今年も)全戦でポイントを獲っているので、一番のレースがどこというというのはないです。1戦1戦厳しい戦いのなか、勝ち抜いてポイントを積み重ねてきたなと。僕らは2度目のチャンピオンですが、連覇したことはないので、さらに上を目標にしていかなければ、強くなっていかなければいけないと思います。そういう意味で最終戦の1戦が記憶に残る一番のレースだったかなと思います。

 

※チャンピオン会見の全文はこちらをお読みください。
「2025シリーズ・チャンピオン会見」

 

 

 


※次回は「GT500クラス総集編その1:“Nissan Z GT500”の2025年をお送りします。

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