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今シーズンに向けて新車を投入、開幕戦から安定した速さを見せ、今大会も予選2番手から確実な走りでトップを快走しているように見えた61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT/井口卓人&山内英輝組)。3時間が経過してまもなく、GT500のトップ車両のゴールを待つ数十秒の間に中継映像が映し出したのはダンロップコーナーのイン側にチカラなくマシンを止める61号車の姿だった。トップチェッカーまであと数百メートルで逃した3年ぶりの優勝。61号車にいったい何が起こったのか──小澤正弘総監督を直撃しました。
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
小澤正弘総監督
実はずっとトラブルを抱えながら走り続けていた
── トップチェッカー目前の最終ラップにダンロップコーナーでまさかのストップという衝撃的な中継映像に驚きました。まずは何が起こったのか教えていただけますか?
「まだクルマが戻ってきていないので詳細は分からないのですが、基本的にはエンジントラブルです。実はだいぶ前に『出力が安定しない』というドライバーからのコメントがあって、そこから40周ぐらい走っているんです。ずっと心配していたんですけど、“ここまできたら大丈夫だろう”という気持ちもありました。ですから、GT500のトップ車両が(3時間まであと10秒ほどのタイミングで)ホームストレートを通過した時に、“その手前で終わってよ”という思いでいました。そのくらいドキドキしていました。まさか、最終ラップのあんなところ(ダンロップコーナー)でブローするとは……という感じですね」
── 最後に6号車に詰め寄られたのも、それが理由ですか?
「いえ、それは違います。終盤に1分37秒台で走った6号車が非常に速かった。ただ、ウチもクリアで走れれば38秒台前半から中盤のタイムは出ていたので、後ろとのギャップを守りながら(最後まで)走りきれるだろうと思っていました」
── これまでドライバーに取材した際には「新車にして、すごく調子が良くて、今年はいいレースができそうだ」とコメントしていました。今日も最後の最後までトップを走っていたことはポジティブに取れると思うのですが、そのあたりはどのように評価していますか?
「我々が勝つために考えたプラン──こういうペースで、こういう燃料消費量で、タイヤをこう使って走れば、勝てるチャンスは十分にあると話していました。今日はまさしくそのとおりのレースができたので、我々としては、みんなで作り上げたものがちゃんとした形になったなという実感はあります。たしかに(今日は)すごく悔しい思いをしたんですけど、この後もチャンスはあると思っています。ただ、あの混走のなかで優勝するのは『運』も必要で、なかなかその『運』がめぐってこない。我々も2022年からずっと勝てていないですし、本当に貴重なチャンスを逃したなという気持ちでいっぱいですね」
── 今おっしゃったように、クルマもドライバーも体制もすごく良い状態のなかでトラブルが起こってしまいました。今後に向けてはどのようにお考えですか?
「自分たちのやるべきこと、やりたいことはだいぶ形になっているので、あとは今回のようなトラブルなく、最後までもっていけるように一生懸命がんばるだけだと思っています」
── レース後もピット裏にはたくさんのファンの方たちの姿がありますが、ファンの方たちに向けて、新たな決意を聞かせてください。
「せっかく期待して最後まで応援してくださった方たちを裏切ってしまって非常に残念な気持ちでいっぱいなんですけど、ここでくじけることなく、チームとしてはとにかく“勝ち”にこだわって次に向かっていきますので、ぜひ応援していただきたいと思います」