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2025 AUTOBACS SUPER GT第2戦『FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL』の決勝レースが、5月4日(日・祝)に静岡県の富士スピードウェイ(1周4,563m×3時間)で行われた。富士山がくっきりと見える好天に恵まれたこの日、GT500クラスではポールポジションからスタートしたNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が、実質トップを譲ることなく3時間を走り切り、チームとしては6年ぶりに優勝をポール・トゥ・ウインで達成。GT300クラスは最終周にトップ走行車にトラブルが発生し、なんと予選27位から2番手まで上がっていたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が劇的な初勝利を成し遂げた。
□天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート前(14:00)24℃/40℃>序盤(14:30)25℃/36℃>中盤(15:30)23℃/34℃、終盤(16:30)20℃/32℃、ゴール時(17:20)17℃/23℃。
ゴールデンウイーク恒例のSUPER GTということで、4万9200人もの来場者を集めた第2戦富士。まず静岡県警察の白バイ9台、パトロールカー5台の先導による1周のパレードラップ、続けてフォーメーションラップが行われて、午後2時18分に3時間のレースの火ぶたが切って落とされた。
ポールポジションのNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がトップでオープニングラップを制するも、予選2位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)も背後にピタリと続く。3番手にはNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太)、4番手にはNo.45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/篠原拓朗)が続いた。
ただその後方では波乱も発生。22番手からスタートした2024年チャンピオンのNo.0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が右リヤにダメージを負い緊急ピットイン。結局、0号車は僅か3周でレースを終えてしまった。他にもTGRコーナーでは3台が接触するアクシデントが発生。またNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(藤波清斗)が接触により一時コース上にストップ。7番手スタートのNo.52 Green Brave GR Supra GT(野中誠太)がリヤウイングにダメージを負い、こちらもピットに戻って修復を行い、大きく遅れてしまった。
一方、トップ10を争うグループではバトルが頻発し、見ごたえのある戦いとなった。20周目、12番手争いのなかでNo.26 ANEST IWATA RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信)、No.87 METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)と争っていたNo.62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也/平木玲次)がTGRコーナーで接触。車両にダメージを負い、2コーナーのグリーンにストップして、ここでレースを終えた。
この処理のためにFCY(フルコースイエロー)が導入されることになるが、このFCYを見越し直前にピットに入ったのが6番手の45号車と10番手につけていた第1戦勝者のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)。2台は、この機転によってピットイン1回分のロスを軽減して、後半に大きくポジションを上げた。
一方、FCY明けにトップの777号車は61号車に接近を許したものの、リードを守ると32周を終えピットイン。翌周には61号車もピットに向かう。これで、FCY時のピットインで利を得た45号車と65号車、さらに最初のピットインでタイヤ無交換作戦を採ったNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)がトップ3となり、777号車と61号車が追っていく展開となった。
速さで勝る777号車は39周目に65号車を抜き、52周目には45号車も攻略してトップに返り咲く。これに61号車も続いていく。だが、55周目に777号車の左リヤタイヤにトラブルが発生してスローダウン。幸い発生がパナソニックオートモーティブ(最終)コーナーだったこともあり、そのままピットでタイヤ交換を行うことができ、そのまま2回目の義務ピットインとしてドライバーも交代した。これで11番手まだ下がったものの、再び追い上げを始めていった。777号車の後退で、トップに立ったのは61号車だ。69周に2度目のピットインをこなして、最終走行に臨んでいく。これに65号車が続く。
だが、65号車の後ろには、なんと予選27位からスタートしたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが接近していた。6号車は序盤にロベルト・メリ・ムンタンが快速を披露して、20周ほどで6番手に浮上。さらに中盤を担当した片山義章もポジションを上げて、トップに立ったところで、最後を再びメリに託した。
また上位陣のなかで最後までピットインを遅らせたNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響/卜部和久)がピットに戻ると、タイヤ無交換作戦を出る。これで実質の4番手となる。また、タイヤトラブルで2度目のピットインを早めに消化した777号車も含め、61号車、65号車、2号車、6号車による戦いとなっていく。
レースも残りわずかとなった残り11分。レースをリードしていた777号車が3度目のピットイン。ピットインが予定より早かったため、燃料が持たなかったのだ。給油だけでコースに戻るが、これでトップには61号車が浮上。2022年第4戦富士以来となる優勝を飾るかと思われたが、なんとファイナルラップも残り半周を過ぎたところで、突然マシンから白煙が上がる。このまま、61号車はコース外にマシンを止めて無念のストップとなった。
これでトップに浮上したのは、公式予選を27番手からのスタートとなった6号車だった。最後の走行を担当したメリだったが、さすがに前を行く777号車や61号車との15秒以上の差を僅かに詰めるだけで、トップを奪うまでは難しいと思われた。だが、ペースを緩めず走ったことが2台のマシンへのプレッシャーとなったのかもしれない。
止まっている61号車を抜いたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)は、ついにトップでフィッシュ。以前のチーム名時代も含め、VELOREXはGT300の初優勝を挙げ、何度も表彰台に上がっていたが頂点に届かなかった片山とメリにとっても悲願の初優勝を成し遂げた。
2位はNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)。3番手ゴールはNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太)だったが、ピット作業で違反があった事で、競技結果に10秒加算のペナルティを受けて4位に降格。代わってNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響/卜部和久)が3位に繰り上がった。
※なお2号車の卜部と7号車の澤は決勝を走行しなかったため、シリーズポイントは付与されない。