第3戦 セパン・インターナショナル・サーキット：公式予選 GT300レビュー

　2025 AUTOBACS SUPER GT第3戦『SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025』の公式予選が6月27日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット（1周5,524m）で行われた。12年ぶりのマレーシア開催の予選では、GT500クラスがQ1を国本、Q2を阪口でNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra（国本雄資／阪口晴南）が、大幅にコースレコードを更新してポールポジション（予選1位）を獲得。GT300クラスはNo.18 UPGARAGE AMG GT3（小林崇志／野村勇斗）のルーキーである野村が、こちらもQ2でコースレコードを樹立してクラスのポールポジションとなった。この2チームは、明日6月28日の決勝レースを各クラスの最前列からスタートする。

　12年ぶりとなるマレーシア・セパン・インターナショナル・サーキットで開催された第3戦の公式予選は、27日金曜の午後4時30分（現地時間。日本時間は午後5時30分）からスタートした。曇り空ながら気温33度／路面温度40度というマレーシアらしい、うだるような暑さとなった。

　GT300クラスのQ1のA組は10台が出走し、Q2進出ができるトップ6に向けてアタックラップを展開していった。この中、ただ1台2分02秒台というタイムを記録したのは、この大会にワイルドカード（今大会のみのシリーズ賞典外）で参加する地元チームのNo.611 EBM GIGA 911 GT3（Dorian Boccolacci）だ。前日の公式練習1回目でも、Boccolacciはトップタイムを記録する速さをみせているが、このQ1のA組でも2分02秒623を記録。だが、この周回はトラックリミット（走路外走行）の違反となってタイム抹消。それでもその前周の2分03秒107でも1位をキープして、トップでQ2進出を果たした。

　Q1A組の2番手につけたのはNo.45 PONOS FERRARI 296（ケイ・コッツォリーノ）。3番手にはNo.52 Green Brave GR Supra GT（野中誠太）だ。今回レギュラードライバーの2人が欠場のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGは実質ルーキーの奥本隼士が4番手、5番手にはNo.0 VENTENY Lamborghini GT3（元嶋佑弥）が続いた。一方、前戦富士の勝者であるNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI（ロベルト・メリ・ムンタン）、ランキング1位につけるNo.65 LEON PYRAMID AMG（菅波冬悟）は6、7番手となってQ1で走行を終えることになった。

　続いてB組は9台が出走。こちらもQ2進出を目指して次々とアタックラップが展開され、No.31 apr LC500h GT（オリバー・ラスムッセン）やNo.18 UPGARAGE AMG GT3（小林崇志）が2分03秒台を記録していく。

　最終的に2分03秒165までタイムを縮めたNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3（松浦孝亮）がB組のトップに浮上してQ2進出を決める。さらに2、3番はNo.18 UPGARAGE AMG GT3（小林崇志）が2番手、No.31 apr LC500h GTが入る。そしてNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R（荒川燐）とNo.96 K-tunes RC F GT3（高木真一）、ワイルドカードのNo.333 EBM Vantage GT3（Kerong Li）はQ2進出が叶わなかった。

　GT500クラスのQ1をはさみ、午後5時23分からGT300クラスのQ2が行われた。Q1のA組でトップタイムを記録し期待を集めたNo.611 EBM GIGA 911 GT3（Adrian D Silva）は、警告灯が点きマシンにトラブルが発生した可能性を感じて、わずか2周でピットインした。

　まずはB組トップタイムだったNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3（坂口夏月）が、2分02秒734を記録。これをターゲットとして各車がアタックを展開。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（山内英輝）が2分02秒747を記録し2番手に続いたが、直後No.52 Green Brave GR Supra GT（吉田広樹）が2分02秒475を記録しトップに立った。

　終盤でそのタイムを上回ったのは今季GT300デビューイヤーで、2024年FIA-F4王者の野村勇斗がドライブしたNo.18 UPGARAGE AMG GT3。公式練習2回目から速さをみせてきたが、2分02秒219までタイムを縮めトップに立つと、翌周のチェッカーでは2分02秒110までタイムアップ。これでNo.18 UPGARAGE AMG GT3（小林崇志／野村勇斗）が今季初の、2021年第7戦もてぎ以来のポールポジションを獲得した。もちろん、野村にとっては自身初のポールポジションだ。

　予選2位はNo.52 Green Brave GR Supra GT（吉田広樹／野中誠太）、3位は終盤タイムを上げたNo.0 VENTENY Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）が入る。同じウラカンGT3のNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3（松浦孝亮／坂口夏月）は4位、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）は5位となった。また、11番手でQ2を終えたNo.45 PONOS FERRARI 296（ケイ・コッツォリーノ／篠原拓朗）は予選後の車検でエンジン過給器のリミット違反により、全予選タイムが抹消となってしまった。