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第3戦セパンが終わってほぼ1ヶ月が経った7月25日、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が、SUPER GT GT500クラスに参戦中の石浦宏明選手が2025年シーズンをもって活動を終えると明らかにしました。第2戦富士で自身6年ぶりの優勝を上げ、セパンを終えた時点でランキング暫定3位と活躍のなか、驚きの発表となりました。再び、富士での一戦を迎えた今回、あらためて心境を言葉にしていただきました。
No.38 KeePer CERUMO GR Supra
石浦宏明選手
自分のことよりまずチャンピオン。チャンピオンを獲りたい
── 7月25日付けで、今シーズンをもってGT500クラスでの参戦活動を終了することを発表されました。その後、周りの反響はいかがですか?
「もういろんなところであれこれいろんな声をかけてもらって、楽しく過ごさせてもらってます(笑)」
── 活動終了を決断された理由を教えてください。
「理由はたくさんあります。一番は、今、所属するセルモの雰囲気、そしてチーム力を見ても、チャンピオンを狙えるタイミングに来ていると思っているんです。(コンビを組む)大湯(都史樹)のスピードと僕自身の安定感というところで、今は結果が残せていますが、チャンピオンを獲るとなると、(現時点でランキング暫定トップの)1号車(au TOM’S GR Supra)じゃないですが、(大湯が)スピードのある選手と組んだほうが(タイトル獲得の)チャンスも増えると思うんです。また、チームには、長年低迷してきたときから、しっかりと支えてくれてがんばってくれているメカニックさんたちがたくさんいるのですが、彼らもチャンピオンを獲ることを目標に奮闘しているので、そこで自分が足を引っ張ることがないようにしたいなと思いました。(レースを)やりたいという自分の気持ちと、(チームスタッフ)みんなの気持ち、それを自分なりに考えたら、『自分には、別のチャレンジもあるのでは? もっと活躍できる場があるのでは?』そう思えてきたんです。
(GT500からの引退を発表して)さみしいという気持ちは全然なくて、自分のなかではこれからの新しいチャレンジに向けてワクワクしているところもありますね。もちろん、自分がセルモを去ったあとにチャンピオンを獲ってくれたら、それも夢のようでとてもうれしいし。結果的にチームと僕の両方がうまくいくのが一番いいなというふうに考えています」
── 一昨年にはかつてコンビを組んでいた立川祐路さん、そして昨年はロニー・クインタレッリさんがGT500から”卒業”。その影響もあったのですか?
「いや、それはないですね。活動を終えることは1年前くらいから考えていて、でも開幕戦で”やってしまった”(決勝でスピン、クラッシュしてリタイヤ)ので、『ちょっと言いにくくなったな』と(笑)。で、次の富士で優勝して言いやすくなった、というわけです。
TGRからリリースを出しましたが、完全引退じゃないので記者会見をするつもりもなかったし、リリースは僕も一緒に考えて作ったんです。最初はなにも言うつもりじゃなかったんですが、言ったほうがファンの方は喜ばれるんじゃないですかという話を聞いて、そうだなと思いました。自分で(活動終了を)決めましたと、言えたのはありがたかったし、良かったと思いますね。
それに、チームは今年の開幕戦からずっと”セルモ劇場”が続いてますからね! 大クラッシュ(第1戦)、優勝(第2戦)、そしてこの発表でしょう!? これからもきっと続いていきますよ(笑)!」
── この先の活動プランは?
「まだまだ今の仕事が忙しくて。ドライバーとしても、それから監督業とか含めてマネジメントとしても、自分が後輩たちにできることもたくさんあるかなとも思ってるので、それも楽しみではあります。やりたいことは膨らんでいますね。言えないこともありますが、新しいチャレンジができるかもしれません。(トヨタ自動車が展開するスポーツカーブランドである)GRでは、モータースポーツを起点とするもっといいクルマ作りをやっているし、そういう開発にもかかわらせてもらっているんです。18年間にわたってGT500クラスでレースをやらせてもらった経験を、トヨタのクルマ作りに活かしていろんなチャレンジをやっていきたいですね」
── 現在はチーム監督である立川さんとは、かつてコンビを組んだ仲でもありますが、発表後にどんなことを言われましたか?
「実は、今回の発表を前に、一番最初に伝えたのが立川さんでした。5月くらいだったかな? そしたら『夕飯を食べるとき、困るじゃないか』って(笑)。『石浦がいなくなったら、話し相手がいなくなるし、困るんだけど』と。今日もあらためて言われました。僕にとっての立川さんは、まだレースを始める前からすでにGT500クラスで活躍するスター選手で、そのあとチームメイトになり、監督になり……。今では一緒にごはんを食べていて一番楽しい存在です。だから、さっき(Race1)スターティンググリッドで『来年からも夕飯だけは一緒に食べに行っていいですか?』とたずねました。それくらいもうなんでも相談しているし、心許せる先輩ですね」
── いよいよ、発表後初のレースが控えます。あらためて意気込みを聞かせてください。
「今年の開幕戦からずっと、”GT500での最後のレース”という気持ちでやってきたんです。公表していなくてもそういう想いで戦っていました。今は自分のことよりも、チームとしてチャンピオン争いをしているので、自分のことよりまずチャンピオン。チャンピオンを獲りたい。それに向かってがんばろうという強い気持ちでがんばります!」