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今シーズン後半戦の初戦となる第5戦鈴鹿。レースウィーク直前となる8月21日、SUPER GTに参戦中の伊沢拓也選手(No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT)が今シーズンの最終戦もてぎ大会をもってGT500クラスでの参戦活動に終止符を打つと、ホンダ・レーシング(HRC)および伊沢選手本人から発表されました。2008年のフル参戦からシーズン18年目を過ごすなか、下した決断そして残り4戦に懸ける気持ちを伊沢選手にうかがいました。
No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
自分に対して期待できなくなってしまった
── 第5戦鈴鹿戦直前の8月21日、今シーズンをもってGT500から引退すると発表されました。その後、どのような反響がありましたか?
「21日にSNS等で発表しましたけど、皆さんがたくさん驚いてくださった、というか反応してくださいましたね。また、その数がとてつもないもので……。逆に、僕が驚いている状態です」
── いつ頃から、GT500クラスからの引退を意識するようになったのですか?
「年齢的(41歳)なこともあって、常に”引退”を頭の片隅に置いた状態で毎年レースをやっていました。そういうこともあって、(引退を決めるタイミングが)『いつ来るのかな』というふうに考えてはいたんですけど、前回の(第4戦)富士のあと、決めました。そのあとは、自分で決めたからには早く発表しないと未練が残るから、と思ったんです。今までレースをするなかで、お世話になってきた人たちがたくさんいるので、早めに発表すれば最終戦までにいろんな人たちと話もできるだろうと思ったし、勝手ながらぜんぶ自分で決めてしまいました。
自分で降りることを決めた以上、そのタイミングで発表するのがいいだろうと思って、そうさせていただきました。思えば、HRCや中嶋(悟チーム総監督)さんから『もう、来年(GT500のシート)はないよ』と言われなかったからこそ、このタイミングで発表できたのかなと思っています。そういう意味では(自身で決断できて)幸せというか、ここまでしっかりと全うすることができたのかなと思います」
── 2007年、GT500にスポット参戦以来、一貫してホンダ陣営で戦い続け、2020年からはModulo Nakajima Racingに移籍。ダンロップタイヤの開発にも尽力されてきました。
「ダンロップさんと一緒に仕事をして、今年で6年目。もう本当に好きなようにやらせてもらっています。開発という仕事を通してすごく楽しい時間を過ごさせてもらっているんです。だからこそ、今まで好き勝手やらせてもらったわりに、いい結果がなかなか出せずにいるというのはどうなんだ、という気持ちがあります。クルマが良くなってタイヤが完璧になったとしても、結果が残らない。そこはもうある程度、自分が責任を負わなきゃいけないなと思います。正直、自分が(結果が残らない)”足かせ”にはなりたくないと思いますから。
もちろん、誰かのためにやめるわけじゃないですよ。でも、世の中にはもっと良いドライバーがたくさんいると思うし、それより、僕自身が自分に対して期待できなくなってしまったな、というのが一番大きいんです。だからこそ、残り4戦は僕の力のすべてをぶつけて勝ちにいきたいと思っています!」
── 今大会の鈴鹿は、ご自身がSUPER GTでデビューを飾った(※)場所でもありますね。いろんな思い出があるのでは?
※ 2007年、第6戦鈴鹿1000kmでNo.17 REAL NSXの第3ドライバーとしてスポット参戦
「そうですね。SUPER GTだけでなく、今は名前が変わりましたが、鈴鹿のレーシングスクール(2002年、鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラクラスを首席卒業)でドライバーとしてのキャリアが始まりました。ただ、どちらかというと、鈴鹿のGTでは、1回勝ちましたが(2018年、第3戦No.8 ARTA NSX-GTでポール・トゥ・ウィン達成)いい思い出がたくさんあるわけじゃなくて……(苦笑)。”夏の厳しい暑さ”っていうイメージのほうが大きいかな。成績だけで言えば、岡山(国際サーキット)が一番良いですし、鈴鹿はシリーズ戦のタイミングとしてもサクセスウェイトが載って、”しんどい”時ですからね。
それに、コースはスピード領域が高く、周りは『鈴鹿はチャレンジング(なコース)だ』と言いますが、それ以上にGT車両で走っていても難しさを感じます。特にGTの場合、ちょっと恐怖を感じるくらいのスピードで走っているんで、チャレンジした結果の代償も大きいんです。危ないなって思います(苦笑)。今回も厳しい暑さのなかでレースをやりますが、8月にやるのは……。いっそのこと、レーススケジュールを変えるっていうのはどうですかね!?(笑)」
── 最後に、ファンの皆さんへひと言いただけますか?
「鈴鹿以降、仙台(第6戦SUGO)、オートポリス(第7戦)とレースが続くので、なんとなく日本列島の東から西までカバーできますよね!? なので、皆さんには各サーキットで声をかけていただけたらいいなと思っています。もちろん、鈴鹿もがんばります!」