SUPER GT 2025 SERIES

JAPANESE FIA-F4 CHAMPIONSHIP

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【第5戦 鈴鹿:決勝日】The Voice:No.1 伊藤大輔監督

 

2023年&2024年とGT500クラスで2連覇を果たし、前人未到の「3連覇」が懸かっているNo.1 au TOM’S GR Supra。スーパーフォーミュラとの“Wタイトルホルダー”の坪井 翔選手と、チャンピオン請負人としてチームに加入した山下健太選手の強力タッグで今年もチャンピオンシップを独走中。ノーハンデでも、70kgのサクセスウェイトを積んでも“速い&強い”1号車について、TGR TEAM au TOM’Sを率いる伊藤大輔監督に“強さ”の理由を訊きました。

 

No.1 au TOM’S GR Supra
伊藤大輔監督

 

ウチは多分、どのチームよりもロングランをきちんとできている

── 2連覇中の1号車は今年もランキングトップを独走しています。チームを率いる監督として1号車の“強さ”について、チーム/ドライバー/戦略の面でそれぞれどのように評価していますか?

「ドライバーに関しては坪井 翔、山下健太のふたりともパフォーマンスが高く、常に速さは見せていると思っています。それに、毎シーズン中盤戦になるとサクセスウェイトの影響でドライバーにとってはフラストレーションの溜まるシーンがかなり出てくるんですけど、ドライバーがしっかり落ち着いて、割り切って走ってくれているなという印象があります。もちろん我々もコントロールはしていますけど、山下選手は常にフラットで、なかなかあそこまでフラットにいられるのもめずらしい。持って生まれたものなのかなと思っています。一方の坪井選手はドライバーらしいといえば“らしい”反応をしますが、こちらの要望を受けて、テンションを元に戻してくれるというか、冷静に戦ってくれています。また、坪井選手はエンジニアからの『これをやったらどうか?』という提案に対して、『クルマがどう動くであろう』ということを的確にコメントできる。いま起きていることをただコメントするだけではなくて、『これをしたらここがポジティブだけど、ここはネガティブになる。こっちの方が可能性あるから、そっちはやめよう』ということを淡々と分かりやすく話してくれます。おかげで、自分がクルマに乗っていなくても、頭のなかで理解しやすいんです。僕もドライバー出身ですからね(笑)。山下選手はフィーリングを大雑把にコメントすることもあるんですけど、坪井選手と組み始めて、坪井選手のいいところやコメントを吸収して、最初の頃と比べると細かいニュアンスを伝えてくるようになったかなと思っています。相乗効果になっていますね。

 チームに関しては結構バランスが取れていると思っています。特に監督とかエンジニアから指示をしなくても、メカニックたちは自ら細かいところを見つけて取り組んでいますし、ミスもあまり見ないです。とにかく熟成されたメンバーたちで、かなりレベルの高いところでレースができているなと。個人のパフォーマンスも大事なんですけど、『みんなの輪』──僕が一番大切にしたいのがそこで、みんながみんなを尊重しながら仕事ができる環境を作っていきたいと思っています。それをちゃんと分かって、メカニックはメカニック同士うまくチームワークが取れているなという印象を受けています。

 それから戦略については特に変わったことをしているつもりはありませんが、ウチは多分どのチームよりもロングランをきちんとできているチームだと思います。どの大会でも公式練習の早い段階からロングを始めて、タイヤのパフォーマンスチェックだったり、ロングに対するクルマのチェックをする。それをするためには持ち込みのセットアップがそれなりに決まっていないとできないという前提はあるんですけど、そこを悪い意味で追いかけすぎずに、自分たちのメニューをきちんと消化していくということを心がけています」

 

── ランキング2位にはチームメイトの37号車(Deloitte TOM’S GR Supra/笹原右京&ジュリアーノ・アレジ)がつけています。同じチーム内で情報やデータの共有はしているのでしょうか?

「同じチームでランキング上位を占められるというのはいいことだと思いますし、データの共有もよりしやすくなりました。ポジション的に離れすぎているとあまり比較にならないので、そういう意味では相乗効果なのかなと感じています。隠すことなく、情報共有していますよ。ドライバーも違いますし、クルマにも個体差があるので、情報を100%共有したからといって100%同じになるわけではありません。お互いが速くなるという意味ではメリットになっていますね」

 

── ノーハンデで戦った第4戦のスプリントレースで優勝+2位を獲得し、そこで“3連覇”に大きく前進したように思うのですが……?

「我々にとっては非常にメリットは大きかったです。ただ、僕自身はどちらかというとお客様がどういう反応をしたのかなとか、スケジュール的にチームがキツかったとか、そっちの方が気になっているんですけど……単純にあのレースフォーマットで優位になったことは間違いないので(苦笑)、我々にとっては良かったなと思います」

 

── 今大会を含めて残り4戦です。今後の戦い方をどのように考えていますか? 3連覇の自信はありますか?

「3連覇ですか?(苦笑)。チャンピオンを獲れるチャンスがある時に獲らないといけないので、そこはもう(チャンピオンを)獲るつもりでいます。それが3連覇ということになりますね。簡単にチャンピオンを獲っているように思われているかもしれませんが、意外とシビアなところを戦って、それが結果的に成功につながっているんだと思っています。ですから、いまはポイント差は関係なく、獲りこぼしがないようにしなければいけないですし、特に第4戦の富士(ノーハンデのスプリントレース)があったおかげで、いつもよりさらに重い状況で第5戦/第6戦/第7戦を戦わなければいけないという意味では“試練”だと思っているので、そこをいかにして今までと同じようにコツコツとポイントを獲ることができるかなと。そこが今年のポイントですし、我々の目標というか達成しなければいけないことで、ポイント的に有利かつ盤石な体制で最終戦に挑むことが大事だと思っています。今回も“なんとか1ポイントを獲りにいく”という戦いになりますし、仮に第5戦/第6戦で自分たちの予想よりポイントを獲れることができたら、それはそれで第7戦が1リスダウン(燃料リストリクターによるハンデ)ではなくて2リスダウンになる可能性もあるので、どちらに転んでも大変なんですけど……それでもちゃんとポイントを獲らなければいけないので、そこは気を引き締めて戦っていきたいと思います」

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