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2025 AUTOBACS SUPER GT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが、9月21日(日)に宮城県のスポーツランドSUGO(1周3,586m×84周)で行われた。両クラス共に終盤まで激しいトップ争いを繰り広げる緊張感あるレースとなり、GT500クラスではNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が、名取の最終ラップの逆転劇で、2016年11月以来の勝利を挙げた。またGT300クラスは、予選2位のNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)が後続からの激しいプレッシャーをしのぎきって、2021年11月以来の優勝を飾った。
□天候:曇り/晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート前(13:30)23℃/32℃>序盤(14:00)23℃/33℃>中盤(14:30)23℃/33℃>赤旗時点(15:00)>再開(15:55)22℃/31℃、ゴール(16:30)22℃/30℃。
決勝レースに先立って行われたウォームアップ走行でGT300車両のトラブルから赤旗中断となった影響で、第6戦決勝は当初予定より10分遅れの進行になった。このため午後1時40分に宮城県警察の3台の白バイと2台のパトロールカーの先導により、交通安全啓発活動のパレードランを開始。続いて1周のフォーメーションラップを行って決勝がスタートした。
スタートでトップに立ったのはポールポジションからスタートしたNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)。予選2位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)の関口が2番手につけ、予選3位のNo.3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が3番手と、上位陣は予選順位のまま3周目まで終える。
4周目に入ると、予選5位のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)の松田が予選4位のNo.1 au TOM’S GR Supra(山下健太)を捉えて4番手に浮上。2番手の39号車も6周目の1コーナーで16号車を捉えてトップに浮上する。その後24号車は9周目の1コーナーで3号車を捉えて3番手。さらには14周目に16号車をも攻略して2番手と着実に順位を上げ、23周終わりのホームストレートで遂に39号車を抜き去ってトップに浮上した。
しかし39号車も離されずに24号車のテールに食い下がる。すると26周目のヘアピン立ち上がりで24号車を抜き返し、39号車が再びトップを奪い返した。その後方では予選8位からスタートしたNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)が着実に順位を上げ、16周目までに4番手に浮上。予選13位のNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也)も26周目までに6番手と着実に順位を上げてきた。
ドライバーの交代が可能となる規定周回の1/3となる28周目に入ると、4番手の17号車を筆頭にピット作業を行うチームが相次ぐ。一方、トップ争いを展開している39号車と24号車はその間にも淡々と周回を重ね、24号車は39周目、39号車は42周目にようやくピットに飛び込んだ。
コースに復帰した24号車はアウトラップで17号車と64号車に先行を許すが、後半を担当した名取が43周目に64号車を捉えてポジションを一つ回復する。GT500クラスは44周目にNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)がピットインしたことで全車がピット作業を完了。これで39号車がトップに返り咲くが、ここでGT300車両のアクシデントによりフルコースイエローが宣言され、47周目に解除となる。
この時点でトップを行く39号車は後続に約10秒もの大差をつけていた。だが、48周目にホームストレート上でGT300車両の3台が相次いで接触。弾かれた1台がピットロード入り口付近に飛ばされたため、4番手を走行していた64号車の前を塞ぐ形で2台がピット入り口のバリアに激しくヒットしてしまう。このアクシデントにより直ちにセーフティカーが導入される。幸い64号車の大草も、GT300車両のドライバーも無事だったが、マシンの破片が散乱し、ガードレールも損傷したため、赤旗が提示され、レースは一時中断となった。
レースは午後4時にセーフティカーの先導で再開される。なおレースの最大延長時間は午後4時30分であるため、終盤は30分の時間レースとなった。また直後にGT300車両のアクシデントが発生したため、この日2回目のFCYが宣言され、58周目に解除となる。
すると、ここから24号車の反撃が始まる。24号車の名取は60周目の1コーナーで17号車をアウトから抜き去って2番手に浮上する。そのままトップの39号車を追い上げ、0.735秒差に迫ってコントロールラインに戻ってきた。63周目にはその差が0.165秒に縮まり、65周目の1コーナーでついに39号車にアウトから並びかけるが、この攻撃は実らず、24号車はわずかにオーバーランを喫し、3番手の17号車がすぐ後ろに迫ってきた。
その後も39号車の隙を窺って仕掛けるそぶりを見せる24号車だったが、39号車の後半を担当するフェネストラズも巧みなライン取りで24号車の攻撃を退けながら周回を重ねていく。39号車、24号車、17号車、16号車が1列縦隊のまま、残り時間は秒の単位に突入。
だが、24号車の名取は諦めていなかった。ラストラップとなった70周目にテール・トゥ・ノーズの状態でバックストレートを駆け抜けた名取は満を持して馬の背コーナーでアウトから39号車に並びかける。ここで午後4時30分に到達し、これがラストラップに。39号車がイン、仕掛けた24号車がアウトのまま一歩も譲らず並走した2台はコーナーを立ち上がる。そして続くSPインで遂に24号車がついに前へ出る。トップに立った24号車Zが、39号車GR Supraと2台のCIVIC TYPE R-GTを従えたままSPアウト、そして最終コーナーを立ち上がり、そのままチェッカーフラッグを受けた。
これによりNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)は待望の今季初優勝を達成。チームにとっては2016年11月の第3戦もてぎ(熊本地震による5月のオートポリス戦の代替戦)以来、実に9年ぶりの勝利となった。また松田次生にとっては2023年の開幕戦岡山以来の勝利となり、GT500クラス最多勝も25勝と増やす。名取鉄平にとってはこれがGT500クラスの初優勝であった。
2位は僅か0.649秒差でNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)。3位のNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)との差も0.886秒という大接戦で、第6戦SUGOは参戦3メーカーが揃って表彰台を分け合う結果となった。