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2025 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』の決勝レースが、10月19日(日)に大分県のオートポリス(1周4,674m×3時間レース)で行われた。3時間の長距離戦は両クラス共に後半に上位チームが変動する激戦となった。GT500クラスでは予選12位から3時間をフルに使う戦略で追い上げたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が、今季初優勝。GT300クラスは、今季初参戦チームのNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗/近藤翼)がチームにとっての初優勝を手にした。
□天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート直前(13:00)23℃/29℃>序盤(13:55)23℃/29℃>中盤(14:25)23℃/28℃>終盤(15:25)22℃/26℃>ゴール(16:15)22℃/25℃。
前日の予選は天候に翻弄され、決勝日も朝のFIA-F4第12戦決勝は霧で濡れて滑りやすい路面となったが、午後は曇りながら気温も23度、路面は完全なドライとまずまずなコンディションとなった。午後1時10分、大分県警察の5台の白バイと3台のパトロールカーの先導で交通安全啓発活動のパレードラップに続きフォーメーションラップを行い、午後1時16分に3時間の長い戦いがスタートした。
ポールポジションのNo.3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)がトップで1コーナーを通過。その後方で予選2位のNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)と予選3位のNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が2番手争いを展開するが、ここは3号車がトップをキープ。しかしその後方で予選4位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)とNo.12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が接触。38号車はスピンしてクラス最後尾まで後退。12号車にはドライビングスルーペナルティが課せられて、こちらも後退することになった。
トップの3号車は10周目までに2位に2秒強の差をつける。後方で7番手争いを展開していたNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)とNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が12周目の3コーナーで接触してしまう。これでアウト側にいた24号車が押し出される形でコースアウトし、外周のバリアに突っ込んでしまった。一旦はコースに戻った24号車だったが、左前方を大きく壊しており、自ら再びコース外に出てストップしてリタイアとなった。これにより13周目からFCY(フルコースイエロー)が宣言され、14周目からセーフティカー(SC)ランに切り替わった。SCが導入されたため、各車の間隔はリセットととなり、トップ3号車のリードも消滅。また64号車にはこのアクシデントによりドライビングスルーペナルティが課せられた。
レースは17周目から再開し、ここで12号車がペナルティを消化。これにより順位はトップ3号車、2番手23号車、3番手14号車、に続いてNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が4番手に繰り上がった。
すると、ここから37号車の追い上げが始まる。19周目の3コーナーで14号車を捉えると、25周目には23号車を同じく3コーナーで抜き去る。そして27周目の1コーナーでついに3号車をアウトから抜き去ってトップに躍り出た。
しかし各車が最初のピット作業を終えると、情勢は一変する。3番手の23号車は29周目、4番手の14号車は33周目にピットイン。トップの37号車と2番手の3号車は35周目に最初の給油義務を消化したが、この時点ですでに最初のピットインを終えていた38号車とNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南/小高一斗)、No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)、そしてNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)の先行を許してしまったのだ。そればかりか34周目にNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)もアウトラップの3号車と37号車を次々に捉えて順位を上げてきた。
レースも中盤に入ると37号車が再びペースアップして38周目に3号車、1号車、14号車を抜き去ると、その後も40周目に8号車を捉え、19号車の背後に迫った。
この40周目にNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が最初のピット作業を終え、山本尚貴から牧野任祐に交代したことで、GT500クラスは全車が最初の給油作業を完了。ここで38号車がトップに立つ。2番手は19号車、37号車が3番手だ。
トップ3台は0.5秒以内の僅差を保って周回を重ねるが、19号車も37号車もなかなか38号車を攻略できない。そのうち4番手の1号車を始めとする後続も次々にこの3台に追いついてきて、最初のピット作業で11番手まで後退していた100号車もこの集団に追いつき、51周目には9番手、55周目には8番手に浮上してきた。
こうした中、トップの38号車は22周目から58周目までの36周を走って2度目のピットイン。3号車、64号車もこれに続く。この間に100号車の牧野は1号車の坪井を捉え、37号車に次ぐ2番手に浮上した。そしてGT300車両のトラブルにより61周目にこの日2度目のFCYが宣言され、すぐに解除となるが、このタイミングでトップの37号車、3番手の1号車が相次いでピットイン。これで100号車がトップに躍り出た。
予選12位からスタートした100号車は作戦として、まず山本が2回目の給油時間を短縮するために燃料消費を抑える走りを心掛けて、1回目のピットインを耐えるように引っ張った。これで後半の牧野が追い上げてトップに立てたことにより、この作戦は見事に機能する。100号車は64周目に2度目のピットイン。牧野は交代せずに、ここでもライバルたちよりも10秒近く短い作業時間でコースに戻り、見事実質トップをキープした。
さらにこれまで上位争いを繰り広げていた1号車、37号車がレース後半に入って相次いでトラブルに見舞われて、ガレージに入ってしまいレースを終えた。これで100号車のライバルは同じHonda CIVIC TYPE R-GTを駆る16号車、そして64号車のみとなった。
その16号車と64号車はレース終盤まで激しい2番手争いを展開、この間に100号車は後続との差を着実に広げていく。最後は26秒近い大差をつけて、3時間で102周を走りきり、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が見事にチームとしてもCIVIC TYPE R-GT勢としても今季初優勝をものにした。
2位は101周目に16号車を捉えたNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)が入り、No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)もそのまま3位でフィニッシュ。予選ではあれほど苦戦していたHonda CIVIC TYPE R-GT勢が決勝を終わってみれば表彰台を独占する快挙となった。4位はNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)。Nissan Z NISMO GT500勢ではNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)の6位が最上位だった。
この結果、リタイアしたものの1号車の坪井/山下組がドライバーランキングのトップをキープ。以下、14号車の大嶋/福住組、100号車の山本/牧野組、38号車の石浦/大湯組、そしてNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、37号車までの6チームが、最終戦もてぎ(11/1、2)で今季のGT500タイトルを争うこととなった。