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10月18日に決勝レースが行われた2026 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』から一夜明けた10月19日(月)、大分県のオートポリスでGT300クラスの11台が参加した、2027年のオフィシャルタイヤサプライヤーによる開発テストが行われた。第5戦鈴鹿の後に行われた8月24日の開発テストに続き、3回目のテストとなる。
◎午前走行 9:00〜11:00 天候:曇り/路面:ドライ
◎午後走行 13:00〜15:00 天候:曇り一時小雨/路面:ドライ
SUPER GTでは2027シーズンからGT500クラスはブリヂストン、GT300クラスはダンロップがオフィシャルタイヤサプライヤーを務める。今回はGT300クラス車で使用する来季用タイヤの開発テストで、1日を使い午前に2時間、午後に2時間の走行を行なった。
前日の第7戦決勝日は気温、路面温度共に高く10月中旬とは思えないようなコンディションだったが、このテストも前日ほどではないものの朝から暖かい日となった。
タイヤテストに参加したGT300車両は下記の11台。
No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰/久保凜太郎/阪口良平)
No.11 GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)
No.18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/新原光太郎)
No.20 シェイドレーシング RC F GT3(平中克幸/清水英志郎)
No.22 アールキューズ AMG GT3(加納政樹/和田久/城内政樹/庄司雄磨)
No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)
No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝/奥本隼士)
No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也/平木玲次)
No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
No.360 RUNUP × SOL GT-R(荒川麟/金丸ユウ/田中篤)



午前のテスト走行では上空は薄曇り、路面はドライ。気温は20℃、路面温度25℃というコンディションの午前9時にスタートした。各車とも前日まで行われた第7戦のセッティングままで、ソフト、ミディアム、ハードというコンパウンドの異なるタイヤを履き比べ、セッティングを変更したりしてタイヤのパフォーマンスを確認した。ピットイン/アウトも頻繁に行われ、チーム独自のテストメニューをこなしていった。
時間の経過とともに雲間から晴れ間も見えてきたが、全車が大きなアクシデントもなく、テストは進んだ。この2時間のセッションでは、61号車BRZが1分45秒423のトップタイムをマーク。2、3番手は11号車Zと62号車GT-Rが続いた。



午前11時から午後1時のインターバルでは黒い雲が低く広がり、細かい雨が落ちてくる時間帯もあったが、コースに大きな影響はなかった。開始時点で天候は曇り/ドライ、気温23℃、路面温度22℃というコンディションだった。
このセッションでもアクシデントやトラブルはなく、ロングランテストを行うチームもあれば、細かくセッティングを変更するチームもあり、それぞれが予定していたテストメニューをこなしていった。
このセッションでは、18号車AMGの新原が1分46秒501でマークした。これに続いたのは、9号車M4と22号車AMGだった。








○冨林勇佑(No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW)
「GT300では初めてダンロップを履きました。午前はミディアムだけで走りました。シリーズで履いているタイヤと似たセットアップで、ほぼ変更していません。もちろんより詰めて行く上では変更は必要でしょうけれど、ウォームアップも良いしコントロールタイヤとしてもグリップはあります。あとはデグラ(デーション)のところかなという感じですね。僕はGR86/BRZレースでダンロップタイヤを履いていますが、グリップの出方も落ち方も特性もすごく似ていますね」

○富田竜一郎(No.11 GAINER TANAX Z)
「富士以来2回目のテストです。タイヤの内容は前回と全く一緒と聞いているので、基本的にはこのコースではどのコンパウンドが合うのかということを確認しました。コンパウンドは3種類とも履きました。名前のとおりソフト、ミディアム、ハードというレンジ感はちゃんとあるかなと思いますし、そのステップも大きいので季節やコースによって使えるものが変わるんだろうなという印象は結構あります。ダンロップタイヤには長年乗っていますが、キャラクターとしては少しビッググリップが少なく耐摩耗性が高いタイプという印象です。ワンメイクタイヤとして1スティントをしっかり走り切るということでは問題のない良いタイヤかなと思います」

○小林崇志(No.18 UPGARAGE AMG GT3)
「今回のテストで初めてダンロップを履きましたが、他のドライバーからもそんなに違和感はないと聞いていましたし、実際に走ってみてあまり違和感はありません。午前中はミディアムとハードを使いましたが、そんなに大きな違いはなさそうな感じでした。今日は前日と違って路面温度も下がりましたが、全体的に暖まりもいいので、来年はアウトラップがだいぶ楽にはなるのかなという気がします。今日もセットアップはいろいろ試していて反応を見ていますが、今後のテストでも煮詰めていければという感じです」

○平中克幸(No.20 シェイドレーシング RC F GT3)
「ダンロップを履いてのテストは初めてですから、3つのコンパウンドを履いて走らせました。タイヤのパフォーマンスは3種類ともしっかり分かれているなという印象を受けました。今日は気温、路面温度共にあまり上がらず、そういう意味ではミディアムにマッチした温度帯だったと思います。これまでダンロップタイヤは長く履いてきましたが、今回は別のタイヤだと思います。久しぶりにダンロップを履くのでこんな感じなのかなという印象で、今回はその確認ができました。今日はロングはせず、内圧調整など細かいことをやっていました。新しいダンロップタイヤの素性を知るには良いテストになりました」

○和田 久(No.22 アールキューズ AMG GT3)
「今日はミディアムタイヤでスタートしたのですが、思いの外暖まるのが早く、柔らかいという印象です。だから1周目から暖まります。そこが一番感じた印象ですね。あと内圧のターゲットが決まってくれば、セッティングのアンダー・オーバーのズレはあまり出てこないと思います。ただミディアムは今日のコンディションではやや柔らかいという印象です」

○木村偉織(No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R)
「初めてダンロップタイヤを履いてのテストです。GT3車両でこれまでのテストに出ていたドライバーから情報は聞いていて、全然問題ないよという話でしたが、いつもSUPER GTで履いているタイヤとは思ったよりバランスが違うなという印象でした。なので初走行の印象は難しく、まだタイヤの感触がつかめていません。みんなからは『割りとスッと乗れていい感じだったよ』というコメントを聞いていたのですが、我々はちょっと違うなという印象です。コンパウンドは3種類全部試してましたが、これだけではまだ答えは出ていません。今回はタイヤのテストなのでクルマよりまずタイヤの評価をして、そこからいろいろ考えたいと思います」

○吉本大樹(No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT)
「テストに参加するのは3回目です。コンパウンド違いの3種類とも履きました。ハードのタイヤは路温も下がってきているし気温も低いのでウォームアップにすごく時間がかかるなという感じはありますが、グリップの感じはミディアムと近い部分があり、そこは好印象です。タイヤのキャラクターとしては低荷重域が非常に良く機能していますが、我々のクルマ(GT300規定)では高荷重域(鈴鹿の1コーナー、オートポリスの100R、ダウンヒルや最終手前)での剛性が欲しいです。もう少し我々のクルマのような性格に寄せてくれれば嬉しいです。サクセスウェイトを積む前からテストをしてきていますが、基本のキャラクターは一緒ですね。このあとはコンパウンドを絞って、ちょっとだけ長めのテストでチェックをします」

○山内英輝(No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT)
「3回目のテストですが、今回も異なるコンパウンドの比較テストという内容でした。今日のオートポリスのコンディションではミディアムが一番良かったかなと思います。テストメニューにコンパウンド違いのロングランもありましたが、ミディアムが一番合っていました。序盤ピンクのダンロップのロゴ入りのタイヤを履きましたが、最初にそれを履いていただけでその他は他チーム同様来季用のタイヤを履いてのテストでした。そのタイヤはサーキットによってイメージは違いますね。これまではタイヤメーカーの争いというものがあり、それがおもしろかっただけに、来年はなくなってしまうのは悲しいですが、タイヤ無交換で2スティントを走るといったようなことはなくなるので、それはそれで僕たちにはありがたいという気持ちもあります」

○平木玲次(No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R)
「ダンロップを履くのは2回目です。今日はコンパウンドの違うタイヤ3種類を履き比べて、それぞれアタックもロングランもと、1日をかけてすべてのメニューをこなしました。オートポリスの路面の特性もあるのか、コンパウンドのそれぞれに良いところ、そうでないところ、キャラクターがはっきりしているのかなという感じで、レースを想定するとその3つのコンパウンドの選択というのは結構頭を悩ませるのではないのかなという印象です。これからは変わりやすい内圧の管理、タイヤの特性を生かしたセットアップをつかむというのはもう少し時間が掛かるような気がします」

○新田守男(No.96 K-tunes RC F GT3)
「ウチのクルマはフロントがヘビーな特殊なタイプで、去年までダンロップと一緒にやっていて非常に苦労されたと思いますが、今回のテストで初めて来季用のタイヤを履いてみるとちょっとスポットが狭いかなという印象です。このテストではクルマは昨日のレースのままの状態で、コンパウンドは3種類全部履きました。ミディアムがマッチング良く、ハードは路温的に足らないかなという感じです。ソフトはセッティングをどこまで合わせ込めるのかが、これからの課題ですね」

○金丸ユウ(No.360 RUNUP × SOL GT-R)
「午前中はミディアムだけを履いてテストしました。午後はコンパウンド違いを全種類やります。ミディアムを初めて履いた印象ですが、特性的には(昨年までGTワールドチャレンジアジアで使用した)ピレリに近いという印象です。昨日(第7戦)のロングスティントと同じようなラップタイムでしたし、タイムは悪くないかなと思いました。ですからコントロールタイヤにしてはすごく速いなという印象です。ですからGTワールドチャレンジの時とタイヤの使い方は近いと思います。ロングもそれほどタイムは落ちないし、予想していたより全然いいです」

住友ゴム工業株式会社
久保 直也 タイヤ事業本部モータースポーツ部 モータースポーツ開発1グループ課長代理
「これまで富士と鈴鹿で開発テストという位置付けでやってきて、こちらから提示した推奨メニューをこなしてもらう形でした。今回は希望するチームを募って行うテストで、こちらから車種を指定するといったことはしていません。テストメニューもチームに任せ、より実戦に近い状態となりました。
タイヤの耐久性能に問題はなく、ソフト、ミディアム、ハードのグリップバランスも想定内でした。もちろん車種によっては異なる部分はあります。オートポリスは摩耗に厳しいサーキットということもあり、その詳細の確認はこれからになりますが、テスト終了の段階ではそれほどひどいでデグラデーションとグレーニングが出たかというとそれはなかったので、そこは良かった点かなと思います。
これまでのテストでは多数派であるフロント(のタイヤ幅)300mm、リヤ330mmの車両が多かったのですが、鈴鹿で62号車GT-Rにフロントに330を履いてもらいました。フロントに330(mm)を着けた車両が多くなっていますので、そこの性能を見てみたいなと思っていました。鈴鹿ではフロント300に比べパッケージがまとまりにくいというフィードバックを聞いていましたが、今回の結果で言うとそこまでの懸念はないのかなという感じです。
来季は新しいGT300クラスの車両がエントリーすることも考えられますが、タイヤはほぼこれでフィックスしますので、このタイヤに合わせたセッティングを施して参戦していただく形になると思います。
来季からのコントロールタイヤは、GT3車両に合わせているというよりも、車両の重量配分や駆動方式によるロバスト性を高めるようなパッケージを用意しているということです。ただ結果としてGT3(規定)とGT300(規定)の挙動が違うというのは徐々に分かって来ています。そのあたりはGTアソシエーションのBoP(性能調整)などでうまくバランスを取ることができればと思います。ここまで3回のテストはドライコンディションとなり、ウェットタイヤでのテストはまだできていません。天気次第ということもありますが、今後ということになります」


