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5月14日、前日に続きGTエントラント協会(GTE)が主催するGT300クラス合同テストが三重県の鈴鹿サーキットで行なわれた。この日も午前9時から2時間、午後1時から2時間半のセッションが設けられ、計12台によるテスト走行が行われた。この合同テストは、この日が最終日となる。
・走行時間:午前 9:00〜11:00、午後 13:00〜15:30。
・天候/路面:午前 曇り・午後 晴れ/ドライ
・気温/路面温度:午前開始前(8:50)19℃/24℃、中盤(10:00)21℃/31℃、午前終了後(11:00)23℃/35℃、午後開始時(13:00)23℃/42℃、中盤(14:00)23℃/43℃、午後終了後(15:30)23℃/40℃。
■午前は今季参戦車両では45号車フェラーリと60号車LC500が好タイム。ベストタイムは300号車の鈴木が記録。
テスト2日目を迎えた鈴鹿サーキットは、灰色の薄雲が空を覆う天気で、やや蒸し暑さを感じる朝となる。気温19度、路面温度24度のなか、午前9時にセッション3がスタートすると、早速各車コースへ。今季のレギュラーチーム11台とこのテストのみ参加のNo.300 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが準備したテストメニューに取り掛かった。
開始から10分も経たないうちに、早くもNo.45 PONOS FERRARI 296のケイ・コッツォリーノが1分56秒台後半のタイムをマーク。他車も前日よりペースアップし、No.300 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀が、同じ1分56秒台ながら45号車のタイムを上回る。すると、45号車はさらに1分55秒798までタイムを縮める。今回のテストにおけるトップタイムを更新しただけでなく、昨年12月に鈴鹿で開催された第5戦(最終戦)の予選で上位陣がマークしたものと遜色のないタイムだ。一方、序盤に織戸学がドライブするNo.30 apr GR86 GTが車両トラブルでピットイン。このセッション終了まで走行せず、ピットでの修復作業に時間が充てられた。
セッション折り返しを前にして、トップ45号車は変わらず。これに、No.60 Syntium LMcorsa LC500 GTの吉本大樹が1分56秒858のタイムで2番手、さらに300号車が3番手、そしてNo.65 LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥が続く。その後、300号車は前日のトップタイムをマークした鈴木斗輝哉が乗り込むと、周回ごとにベストタイムを更新。セッション終了まで残りおよそ30分を前に1分55秒527をマークし、トップタイムを更新。連日の好走で、順応性の高さをアピールした。
このあと、アタックシミュレーションを行なう車両やチームベストタイムの更新もなく、セッションは終了。午前のベストタイムはそのまま300号車となり、今季参戦車両では45号車、60号車、そして65号車が上位となった。
■午後は300号車PRIUSの梅垣がベストを記録。レギュラー車両では60号車LC500がトップとなる。
今日のテストも公開で行われたため、鈴鹿サーキットのパドックには多くのファンが訪れた。インターバルには、多くのドライバーも気さくにサイン対応を行なっていた。午後に入ると日差しがいっそう強くなり、気温も上昇。そのなかで午後1時から2時間半のセッション4がスタートすると、各車はテストの締めくくりに向けて、各自精力的に走り込みを行なった。
スタートと同時に7台が続々とコースイン。その後、タイミングを見計らって残る4台もコースへと向かう。このセッションでは、ひとりがドライブを担当するチームと、定期的にドライバー交代を行なうチームに分かれるなか、No.60 Syntium LMcorsa LC500 GTは河野駿佑がひとりでステアリングを握り、序盤に1分57秒489をマークしてトップに立った。これにNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)の吉田が1分58秒257で続く。この後、52号車は野中、吉田と乗り代わってテストメニューをこなした。
セッション中盤には、前日、そして午前のセッション3同様に300号車がタイムを上げてくる。まず梅垣清が1分56秒871の自己ベストをマークしてトップへ。さらに、残り20分の時点で再び鈴木へとスイッチすると、またもラップ毎にタイムを削り取って1分56秒002をマーク。先のFIA-F4富士大会で好成績を挙げた両ドライバーは、自身に与えられた役割を見事に果たした。
なお、トラブルによりセッション3でほぼ走行できなかった30号車だが、このセッション残り30分強の時点でコースイン。少ない周回数ながら走行を果たしている。最後は、残りおよそ15分を切ったところでトラブルが発生した車両がメインストレート上でクルマを停めたため、赤旗が提示され、これをもってセッション4の走行は終了となった。
結果、300号車のトップは変わらず。これに序盤にベストタイムをマークした60号車が2番手、3番手にセッション折り返しを前に1分58秒018を刻んだ45号車、52号車が続く結果となった。
先週、そして今週と2度にわたって実施されたGTエントラント協会主催の合同テストが終わり、いよいよSUPER GTの舞台は第3戦マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットへ移る。セパン戦は2013年以来であり、さらにトワイライト(夕方の決勝スタート予定)での開催とあって、参戦チームも観戦のファンも未知なる展開に期待が膨らむばかりだ。
■GT300
No.30 apr GR86 GT
織戸 学
今年からタイヤがミシュランに変わったので、まだまだ難しいところがあるように思います。クルマとタイヤのマッチング含め、様子を見ているところです。周り(ライバルチーム)のレベルも上がっているだけに、正直厳しいと感じています。とはいえ、コンビを組む永井(宏明)さんと”真剣に”楽しんで戦っています。今回の鈴鹿ではタイヤのキャラクターの確認をする予定でしたが、朝のセッションでクルマに不具合が出てしまいました。午後は本格的にタイヤテストする予定でいたんですが……※。次のセパン戦は僕らはお休みになるのですが、シーズン中にどこかでしっかり上位を狙えるような戦いがしたいと思っています。
※午後はラスト30分から走行を開始した。取材は午前終了後のものです。
No.31 apr LC500h GT
根本悠生
今年は31号車のメンバーが変わり、クルマ、タイヤのことを知るのが僕だけとなりましたので、オフシーズンから小山(美姫)、オリバー(ラスムッセン)両選手をサポートできるように意識して戦っています。次のセパンは別カテゴリーでレースをしたことがあるのですが、予定ではリザーブドライバーの立場です。とはいえ、経験値から手助けできる部分もあるのではないでしょうか。クルマ的にはコースに合っていると思っています。普段からベースのセットアップを組み上げていく担当をしているので、練習走行で走ることになればフィードバックもできるでしょうし、力になりたいですね。このクルマでの優勝がまだなので、実現を目指してしっかりとその土台を作っていきたいと思います。
No.52 Green Brave GR Supra GT
吉田広樹
オフシーズンの間に、チームがクルマをしっかりアップデートしてくれました。ただ岡山のテストは参加しておらず、富士では雨だったので、テスト時間が足りないなという思いでシーズンを迎えました。一方、クルマは速くなっている印象があるので、伸び代はあるという手応えを感じています。レース内容としては、2戦ともキチンとレースができていないのですが、レース中のアクシデントなどで結果が出ていないだけ。ペースは決して悪くありません。ただ、予選で上位につけるなどリスクを減らすことも重要なので、そこに向けてのアプローチが必要になると思います。次のセパンは、僕も野中(誠太)も他のカテゴリーレースで経験があるんですが、タイヤがどこまで合うかどうかは走ってみないとわからないですね。今回のテストはしっかりドライでのトライができるので、これを夏の富士、鈴鹿に活かしていきたいです。
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口卓人
富士(第2戦決勝の車両ストップ)のあと、エンジンだけ載せ換えて鈴鹿のテストに来ました。富士では、クルマもタイヤのマッチングもすごく調子が良かったので、気持ち的にネガティブな要素はないです。もちろん悔しかったですが、チームとしてはクルマの状態も含めてポジティブですし、タイヤの面でもダンロップさんがものすごくがんばってくれています。低いながら2戦ともポイントを獲るなど、これまでの違う戦い方もできています。マレーシアは久々のレースになりますが、どういうタイヤを持って行こうか、今しっかりとテストができています。今年、クルマが新しくなったことでオフのテストではトラブルも多く、クルマを速くするためのテストというよりも、普通に走るためのテストみたいな感じでした。なので、どのくらいのパフォーマンスが出せるか、まったくわかりませんでした。それを踏まえると、岡山も富士も初日から調子が良く、しっかり戦えたので手応えはあります。ただ、運も含めて結果が出なかったですね。歯車が噛み合えば……という感じなので、あとは速さと強さを結果に繋げるだけですね。
No.777 D’station Vantage GT3
藤井誠暢
前回の富士は、自信があったので優勝を狙っていたんです。ポールポジションは獲れたものの、残念ながら2位に終わってしまいました。でもあの状況(タイヤトラブルで一旦後退を強いられた)で2位になれたのは、タイヤが良くて速さも出せたから。タイヤのパフォーマンスには満足しています。うちのチームはこういうときでもバタバタせず普通に対処できるので、安心できます。総評としては80点くらいですが、ここまでの戦いに関して言えば、クルマ、タイヤ、チームのポテンシャルにはすごく満足しています。結果的に勝運がなかっただけです。ここから先は、もう少ししぶとく戦いたいと思います。セパンは正直クルマとの相性が良くないので、厳しい戦いになるでしょうが、ひとつでも前を目指します。その後、(サクセス)ウェイトを搭載するなかでもコンスタントにレースができたらいいなと思います。
GTE 鈴鹿テスト:フリー走行3回目
GTE 鈴鹿テスト:フリー走行4回目