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5月8日(木)、前日に続き三重・鈴鹿サーキットにおいてGTエントラント協会主催のGT300、GT500クラスの合同テストの最終日(2日目)が行なわれた。この日も、ヨコハマタイヤユーザーのGT300クラス車両8台とGT500クラス車両2台、さらにGT500クラスのダンロップユーザーがホンダ開発車両を用い、計11台がテストに参加した。
走行時間:午前 8:00〜11:30(GT300専有 8:00〜9:00/混走 9:00〜10:30/GT500専有 10:30〜11:30)、午後 13:00〜16:30(GT300専有 13:00〜13:30/混走 13:30〜16:00/GT300専有 16:00〜16:30)
天候/路面:晴/ドライ(終日)
気温/路面温度:午前GT300専有開始時(8:00)15℃/25℃、混走開始時(9:00)17℃/31℃、GT500専有時(10:00)20℃/38℃、午前終盤(11:00)20℃/45℃、午後GT300専有開始時(13:00)22℃/51℃、混走序盤(14:00)22℃/51℃、混走周盤(15:00)21℃/48℃、GT300専有時(16:00)20℃/45℃。
■No.0 VENTENY Lamborghini GT3がGT300クラスの最速タイム更新の走りを見せる
富士での第2戦から僅か2日の間隔で実施された鈴鹿でのGTエントラント協会(GTE)の合同テスト。タイトなスケジュールながら、各チームともこの後に控えるセパン、富士、鈴鹿と暑さの厳しい夏の戦いに向け、この日も各車精力的に走行を重ねた。なお、2日間のテストでは、他のカテゴリーレースやテストに参加するため不在の選手もおり、チームによってはひとりで、または次のセパン戦に出場予定の選手がテストを行なった。
この日は、まず午前8時にセッションがスタート。薄曇りから次第に日が挿し込み、また前日より風も穏やかとなり、絶好の走行日和に。GT300クラスは午前10時30分まで、またGT500クラスは午前9時から午前11時30分まで走行が行なわれた。
GT300クラスでは、午前9時からのGT500クラスとの混走を前に、No.0 VENTENY Lamborghini GT3の小暮卓史が1分56秒287を刻み、前日のトップタイムを上回る。さらに、GT500クラスとの混走枠で2番手へとポジションアップしたのは、No.666 seven x seven PORSCHE GT3Rの藤波清斗。前日からひとりでテストメニューをこなしながら、チームベストタイムを更新した。3番手には、初日のトップタイムを出したNo. 6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIのロベルト・メリ・ムンタンが続いた。
なお、このセッション序盤、車両トラブルが発生したNo.25 HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/佐藤公哉)だが、修復作業に取り掛かり、午後からのセッションでは無事に走行した。また、セパン戦でレギュラードライバーの谷口信輝と片岡龍也に代わり、中山友貴と奥本隼士の起用を明らかにしている4号車には、奥本が開始早々からシートに収まりコースへ。その後、谷口に交代した。
■GT500の午前はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraが好タイムを記録する
GT500クラスでは、午前9時のセッション開始から40分を過ぎて、まずNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraの阪口晴南が、前日のGT500トップタイムを更新する1分45秒068をマーク。また、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zも名取鉄平が1分45秒335のチームベストタイムを刻むなど、調子を上げている様子だった。
GT300クラスとの混走が終わり、午前10時30分から1時間はGT500クラスの専有走行となったが、この間にタイムアップを果たす車両は現れず。結果、午前のセッションは19号車をトップに、99号車の大草が1分45秒098で2番手に続き、24号車が3番手で走行を終えた。
■最終セッションは大半のチームがロングランをこなす。
午後に入り、気温、路面温度ともに上昇するなか、大半の車両が午前のセッションよりもタイムを落として周回を重ねており、ロングランのテストを中心に行なった。お昼過ぎには、幼稚園児の団体がグランドスタンドでテストを”観覧”。小さなSUPER GTファンが興味深くレーシングカーの走りを見守り、普段のレースウィークとはまた異なる雰囲気に包まれた。一方、前日から熱心なファンも多数来場しており、開放されたピット3階ではカメラを構えてベストショットを狙う姿が見受けられた。
まずはGT300クラスが午後1時から30分間の専有走行を開始したが、午後1時18分に赤旗が提示される。これは、ダンロップコーナーを走行していた6号車の右リヤタイヤがバーストして破片が散乱し、その処理のための中断。およそ6分後には走行が再開し、6号車を除く7台がコースへ戻っている。また6号車はスロー走行でピットに戻って修復を行ない、幸いクルマへのダメージは少なく外装を交換して20分ほどでセッションに復帰した。
午後1時30分からは2時間半にわたるGT500車両との混走がスタート。4号車はセッション終了まで中山、奥本のふたりがメインでドライブを担当していた。また、9号車も第3ドライバーの藤原優汰が冨林とシェアする形でステアリングを握っている。この間、午後のチームベストタイムを更新する車両も見受けられたが、その後、午後4時30分のセッション終了までトップタイムは更新されなかった。2日間のテストにおける最速タイムは、最終日の午前のセッションで0号車の小暮が刻んだ1分56秒287だった。
GT500クラスでは、3台がいずれも前日のチームベストタイムよりおよそ3〜4秒ペースを落として周回を重ねた。初日のトップタイムとなった99号車は大草から伊沢へ、また午前中に最速タイムをマークした19号車は国本から阪口に、そして24号車は名取から松田へと交代して各車50〜60周近くを走行。いずれもロングランを意識した走りを続けたため、最終的に、この日のGT500クラス・ベストタイムは、午前中に19号車の阪口がマークした1分45秒068となった。
GTエントラント協会が主催するテストは、5月13〜14日にも鈴鹿サーキットで行なわれる。こちらのテストではブリヂストン、ダンロップ、ミシュランタイヤを装着するGT300クラスの計13台が参加する予定。
■GT500
No.19 WedsSport ADVAN GR Supra
阪口晴南
今年はテストから好調ですね。前回の富士で手応えのあった予選セットも残しつつ今回のテストもしていますし、あえて2、3年前の調子が良かった鈴鹿のセットも試しているんです。今年のセットと比較しながらテストに取り組むなか、手応えを感じています。以前と比べて、ドライバーやエンジニアがそれぞれ明確な方向性を持っているので、当時のように無作為に作業をやっているようなところもありません。予選だけでなく、公式練習でも一発の速さを安定して出せるようになっていますし、自分たちがどういう方向でクルマを走らせたいのか、全員がしっかりと把握して取り組んでいる感じがします。SUPER GTでのセパン(第3戦)のレースは自身初めてになりますが、テストでは路面の変化が大きいと思いました。どういう戦いをすれば結果に繋がるか、予測できるところはしっかりと予測し、しっかりと準備して臨みたいと思います。
No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z
松田次生
開幕の岡山では予選が良かったので、ドライコンディションでレースができていれば、どこまで結果が残せることができたのかを見たかったですね。次の富士は難しいレースになると思っていましたが、本当にそのとおりになってしまいました。次のセパン(第3戦)はテストでも手応えはあるのですが、レースのスタート時間が僕たちにとってどう働くか……。不安なところです。まぁ雨さえ降らなきゃいいかな。スコールがなければいいのですが。セパンは何回か勝ってるサーキットですし(GT500最多の3勝)、SUPER GTでの最後の2013年にも勝ってるので、個人的に相性はいいと思いますね。今回のテストで技術のさらなる進歩に繋げられるようしっかりと走り込んで、夏のレースに備えたいと思います。
名取鉄平
開幕戦から今まで、思うようなレースができていないというのが現状です。そのなかで、開幕戦の岡山では予選Q1を担当したのですが、自分自身のちょっとしたミスはあったものの、悔いの残らない走りはできたと思います。また、この前の富士は担当したQ1で落ちてしまいましたが、アタックでは自分のパフォーマンスをめいっぱい引き出しすことができたと思います。もちろん、まだまだ上を目指してやっていかなければなりませんが、今回のテストでも限界ギリギリまでがんばって走っているところです。そういう意味では、今のところ自分のパフォーマンスを出し切れていると思います。(第3戦の)セパンはテストで2回走っていますが、レースではサクセスウェイトも軽いし上位を狙っていけたらいいと思います。ここで結果を出して、シーズン中盤に弾みをつけたいですね。
No.99 Hondaテスト車両 CIVIC TYPE R-GT
大草りき
今回のテストでは普段と違う車両(99号車)になるので、緊張しながら走りました。64号車との違いを感じつつドライブしているので、タイムを出しに行くというより、あくまでもタイヤテストをしているという感じですが、レースに向けて良いところが見つかると思っています。今年は、昨年よりさらに良い雰囲気でレースをしていますが、テストのときに得た好感触をレース本番で発揮できていません。その原因をみんなで解明し、少しでも早く結果に繋げていきたいですね。次のセパンはテストで走り込んでいるので、レイアウトなどは問題ないですが、どういうレースになるのかわからないですね。昔の映像を見ると、落ち着いて終わる展開も少なそうなので、そういう状況になったときは即座にいい選択をして、戦うことができればいいと思います。
■GT300
No.0 VENTENY Lamborghini GT3
小暮卓史
去年まで取れていた(車両の)バランスが、今年になってちょっと崩れているというか……。本来であれば、もう少し上位で戦えているはずなんですが(苦笑)。岡山も富士もストレートスピードが伸びず、また富士では僕自身のミスもあって下位に沈み、決勝での不運なアクシデントに繋がったと思います。ただ、これまで噛み合わなかったものが徐々に合いつつあるので、巻き返すレースもできるようになると期待しています。特にセパン(第3戦)は、かなり行けるんじゃないかな。これまで積み上げてきたものを発揮できるはずです。僕も元嶋(佑弥)も好きなサーキットだし、優勝したこともある(GT500クラスでの2011、12年)ので楽しみにしてもらいたいですね。
No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG
谷口信輝
開幕戦では片岡(龍也)がスーパーアタックを決めてポールポジションを獲りましたが、本当にチームの誰もが獲れるだなんて思いもしなかったですね。ただ、決勝は上がると(予報で)言っていた雨が止まず、不得意な雨に翻弄されました。レースも複雑な展開になりましたが、そこを4位で終えられたのは良かったです。この前の富士は、がんばらなきゃいけないのにライバル勢が速すぎました。手堅く着実に戦い続けないとだめですね。次のマレーシア(セパン)は、片岡とともにお休みしますがふたり(中山友貴と奥本隼士が出場予定)にがんばってもらいます。
No.9 PACIFIC アイドルマスター NAC AMG
冨林勇佑
今年は、チームがより一丸となって戦っている感じがします。開幕戦では久々にチームとして良い結果(決勝5位)が出て、ポイントを獲得することができました。ただ岡山が良かっただけに、前回の富士では「次は表彰台、優勝だ!」と狙った結果、あれこれ試したことが上手くいきませんでした。でも、すぐこの鈴鹿(テスト)でその答え合わせをすることができているので良かったと思います。チームはAシード権ではないので残念ながらセパンは行けないのですが、今回のテストでマイルを重ねてブラッシュアップし、富士(第4戦)に臨みたいと思います。
No.25 HOPPY Schatz GR Supra GT
松井孝允
去年からテストがあまりできていないままレースをしてきたので、それが響いているのかなと思います。2戦を終えて感じるのは、その影響が大きということです。まだまだ足りていないところを補うため、今回のテストではレースウィーク中にできないようなことを試していますが、課題もなんとなく見えてきたかな。そこからのアプローチがこれからの仕事になります。僕らの次のレースである富士(第4戦)に向けてその”出口”も見えています。そこにまだ到達こそしていませんが、このテストで方向性を確認できたことはとても良かったと思います。
No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R
福山英朗監督
ドライバー体制が変わるなか、今シーズンはエンジニアもメカニックも初顔合わせで仕事をしている状態です。チームとして”ウォームアップ中”ですかね。でも、水面下でいいものは積み重なってきていると感じています。結果はまだ出ていませんが、今回のテストでは、しっかりと走り込みができるし、大胆なトライもできるのですごくいい機会になっています。チームとしての”芽吹き”は8月の(第4戦)富士くらいを予定しています(笑)。そのあとのここ(第5戦鈴鹿)で花が咲けばいいかなと。クルマの熟成も進んでいるので、実力を出せるように準備を進めていきたいと思います。
No.666 seven × seven PORSCHE GT3R
藤波清斗
僕らは新規チームなのでいろいろ苦戦していますが、スタッフもがんばってくれています。今はクルマとタイヤの相性を見極めているところで、いいポテンシャルを引き出すための情報を得ようと取り組んでいます。次のレースは(第4戦の)富士になるのですが、その前に鈴鹿でこれだけしっかりとテストができるのはありがたいですね。この先のレースに向けていい材料を揃えていくことができると思います。前回の富士ではペースは良かったものの、トラブルやアクシデントでいい結果が出せなかったので、次はしっかりと形を残していきたいです。ポルシェファンからの応援もたくさんいただいているので、1勝を目指してがんばっていきます。
GTE 鈴鹿テスト:フリー走行2回目
GTE 鈴鹿テスト:フリー走行3回目
GTE 鈴鹿テスト:フリー走行総合