2025 AUTOBACS SUPER GTのシーズン開幕まで、もう1ヶ月を切りました。
　先日、開幕戦（4月12、13日開催）が行われる岡山国際サーキットで、今年最初の公式テストが行われましたが、その際にGT500クラスで話題となっているドライバー、7人にお話しを聞きました。開幕が待ち遠しい皆さんに、彼らのメッセージをお届けします。

　第4回は、2023年のGT300クラスデビューイヤーに2勝を挙げ、今季からはGT500クラスのNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GTのレギュラードライバーにステップアップした小出峻選手をお送りします。

「ステップアップさせてもらったからには、最初から結果が求められる。良くしてくれるチームにレースで恩返しできるようにがんばりたい」

小出　峻
No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT

−−GT500クラスでの初の公式テストですね。チームの雰囲気やご自身の手応えはどうですか？
　GT500にステップアップして、テストは何回かやってきました。その中でも今回のテストは今までと違って、路面的にはちょっと難しかった。タイヤの温度も低いし、雨上がりなので、かなり濡れてるところと濡れてないところがあって、そこに難しさを感じましたね。それで（初日午後の専有時間での）最後はロックアップして飛び出すっていう（ブレーキングで車輪が止まって滑りコースアウトする）場面がありました。
　そんななかでも、自分の中では本当にいろいろとトライしていました。チームにも僕がいろいろチャレンジしやすいような環境を用意してもらっているので、本当にそこにはすごく感謝しています。

　それでもあのようなミスは、自分としてはすごく反省して、次から絶対しないようにしたいし、そういうミスをどんどん減らしていって、このチームの戦力となれるようにしたいです。まだ富士のテストも残っているので、そこでしっかりと自分の車へのアジャストというところを もっと磨いていけたらいいかなと思っています。
　今年はルーキーイヤーになりますが、タイトルを争える有力チームにステップアップさせてもらい走るからには、最初から結果が求められると自分では思っています。でも焦るつもりはもちろんないですし、しっかりと自分の出せるポテンシャルを100%発揮して、チームの力になれるようにがんばりたいと思っています。

−−初めてのGT500マシンはどんな車両ですか？　そして開幕戦に向けての意気込みをお願いします。
　GT500クラスは（GT300クラスと違って）ABSやトラクションコントロールは付いていませんが、車両自体がとてもハイレベルな技術でつくられているので、本当に乗りやすいんですよ。だけど、やっぱり攻めきったところのちょっとしたブレーキングでロックアップしてしまうとか、立ち上がりのアクセルをちょっとラフに踏んじゃうとスピンしちゃうとか、本当に最後の最後の詰めというところの部分でドライバーのアジャスト力が試されると思います。そこに対する難しさがGT300車両よりもありますが、でも走っててすごい楽しいです。

　SUPER GTのGT500は日本のトップカテゴリーだと思いますし、その頂点で走ってるドライバーさんたちはすごい技術を持っています。そこに僕も絶対追いつかないといけないし、技術をしっかりと身につけたい。GT500もスーパーフォーミュラも両方乗っているので、両方で良い相乗効果を生んで、結果がそれぞれ良くなっていければ自分としてはいいかなと思います。

　チームの先輩の塚越選手は本当にもうめちゃくちゃ優しくて、いろいろと教えてくれます。僕としてはすごい助かってるし、親近感もあって、すごく良い先輩なんです。チームに馴染みやすいように気を配ってくれるし、初日のミスも、エンジニアさんと一緒にみてくれて、クルマ側には何が問題あったのか、ドライバー的には何が問題あったのか、というところを究明してくれるので、本当に感謝しかなくて、レースで恩返しできるようにがんばりたいという気持ちです。

　自分としては開幕戦から良い結果を出したいのはもちろんですし、岡山は僕にとって相性は悪くないコースなので、しっかりと残りの富士テストもがんばって、チームに『お前がいたからこういう結果出せたよ』って言ってもらえるようにがんばりたいと思います。

次回は、NISSANで中心的な存在であるNo.23 MOTUL AUTECH Zに移籍して、期待が掛かる高星明誠選手にお話しをお聞きします。お楽しみに。