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Race Report
2016.08.06
Rd.5 公式練習:S Road CRAFTSPORTS GT-Rがトップタイム!GT300はARTA BMWが最速

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第5戦 富士スピードウェイ:公式練習レビュー

2016 AUTOBACS SUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」の予選日・練習走行が、8月6日午前、富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。サーキットには夏らしい熱い日差しが降り注ぐ中、午前8時50分から1時間45分間にわたって練習走行が行われた。この走行でトップタイムを記録したのは、GT500クラスがNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲、GT300クラスではNo.55 ARTA BMW M6 GT3の高木真一だった。

 

□公式練習  天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 28度/33度(開始時)、32度/42度(終了時)

 

GT500 Class
S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山が快走!リベンジのカルソニックが2番手

 7月23〜24日にスポーツランドSUGOで開催され、白熱の展開となった第4戦から2週間。SUPER GTは“真夏の三連戦”2戦めとなる第5戦富士スピードウェイを迎えた。ここでは5月に第2戦が開催されているが、そのときとは気候、そしてレース距離も第2戦の500kmと異なり、今回は300kmと通常のレース距離。第2戦とは異なるレース展開が予想された。
 夏休みシーズンであり、多くの子どもたちが朝から来場するなか迎えた8月6日(土)の予選日は、まさに“真夏”という言葉がピッタリな酷暑となった。午前8時50分からスタートした公式練習では、陽炎が立つなかで続々とピットアウトしていった。

 午後の予選、そして翌日の決勝レースに向けてなるべく周回をこなしたい各チームだったが、開始5分にGT300クラスのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがダンロップコーナーでトラブルが発生したかストップ。赤旗が提示されてしまう。ただ、この回収作業はすぐに終了。午前9時1分に走行は再開された。
 GT500クラスでは、2014年の車両規定変更以降、この富士を得意としているのはニッサンGT-R NISMO GT500勢。その予想どおり、セッション中盤にはNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)が1分29秒468をマーク。さらに第2戦で首位を争ったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信)が続いた。次いでNo.36 au TOM'S RC F、今回カラーリングを変更したNo.6 WAKO'S 4CR RC Fと、レクサスRC F勢が3〜4番手につけた。

 

 

 一方、ニッサンGT-R勢のなかでは、第2戦富士で優勝を飾ったNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rにはトラブルも発生する。午前9時34分、プリウスコーナーで松田次生がドライブしていた最中に駆動系のトラブルが発生したかストップ。この回収作業のため、ふたたび赤旗が提示された。ただ、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rは午前10時25分からのGT500専有走行で再コースインを果たした。
 10分間のGT500クラスの専有走行では、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(オリバー・ターベイ)が1分29秒815にタイムを上げ、GT500クラスの3番手に食い込むものの、トップ2は変わらず。最終的にGT500クラスの公式練習でのベストタイムは、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)の1分29秒468となった。2番手はNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが続いた。
 レクサスRC F勢の最上位は、1分29秒863をマークしたNo.36 au TOM'S RC F(伊藤大輔)の4番手。とは言え、レクサス勢はトップ10圏内に4台が食い込んでいるほか、12番手のNo.37 KeePer TOM'S RC Fまでが1秒以内のタイム差と、3メーカーによる僅差の予選を予想させるタイム差となった。

 このあと富士スピードウェイでは、ポルシェカレラカップ ジャパンの公式予選、FIA-F4第5戦決勝レースを経て、14時25分から第5戦の公式予選がスタートする。

 

 

 

GT300 Class

 

GT300ではARTA BMW M6 GT3を筆頭にトップ4はFIA GT3勢が独占

 セッション開始5分、そろそろターゲットタイムが見えるかと思われたときトラブルが発生。No.61 SUBARI BRZ R&D SPORT(井口卓人)がスロー走行となり、ダンロップコーナーのアウト側にマシンを止めてしまう。このため赤旗が提示される。61号車は牽引されてピットに戻され、5分ほどの中断でセッションが再開。
 セッションが再開されて5分を過ぎると第2戦富士の勝者であるNo.3 B-MAX NDDP GT-R(ヤン・マーテンボロー)が1分40秒123でトップに立つ。だが、すぐにNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)が1分39秒059と大幅にトップタイムを書き換える。55号車は次の周には1分38秒392とさらにタイムを刻んでくる。これにNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン)、No.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹)とストレートスピードに勝るFIA GT3勢が続く。4番手には前戦SUGOで優勝したNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)がつける。31号車はその後、1分38秒954として、3番手に浮上しJAF-GT300勢が侮れないことを証明する。そして、僚友のNo.30 TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木孝太)も1分39秒942を叩き出し、31号車の前、3番手に浮上。プリウスのハイブリッドパワーが富士に向いていることを見せつける。しかし、第2戦富士の練習走行でトップタイムを出したNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑晶裕)が1分38秒780として、プリウス2台を押しのけ3番手に。これで5番手に下がった31号車は1分38秒784として4番手まで戻す。3号車(マーデンボロー)も1分38秒813まで刻み、31号車の後ろとなる。
 この直後に、GT500クラスのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)がコース外にストップ。これで9時33分に赤旗となる。

 この後、セッション後半となると各車、2人目のドライバーに交代。路面温度も上がってきたこと、タイヤのチェックや決勝に向けたセットアップなど各チームそれぞれのメニューを動かしたのか、上位陣のタイムには大きな変動はなくなる。その中、序盤にマシンを止めたNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORT(井口卓人)が修復を終え、走行を開始。1分39秒159のタイムでこの時点の10番手まで巻き返した。
 そしてラスト10分はGT300クラスの占有走行となる。ここでタイムアップしたのは、混走時間では10番手だった65号車(蒲生尚弥)。1分38秒709を叩き出して、トップ55号車には届かなかったものの2番手にジャンプアップした。
 結局、占有時間でのトップ6の変動はそれだけ。この練習走行のトップタイムはNo.55 ARTA BMW M6 GT3となった。これに21号車、開幕戦優勝の65号車、51号車と続き、FIA GT3車両がトップ4を独占。5番手に31号車(JAF-GT300車両の最上位)、5番手に3号車と第4戦、第2戦の優勝者が並んだ。現時点のドライバーズランキング1位のNo.25 VivaC 86 MCは終盤に土屋武士が出した1分39秒793で19番手となった。
 No.7 Studie BMW M6はドライブシャフトのトラブルで、No.108 DIRECTION 108 HURACANはオイル漏れがあり、この練習走行をほとんど走れず。なお、7号車は練習走行直後のサーキットサファリには修復が間に合って走行を行っていた。

 

  

 

 夏らしい天候となったこともあり、このセッションのトップタイム(#55高木真一/1分38秒392)は、5月の第2戦に出たレコードタイム(1分35秒707/#55小林崇志)より大幅に落ちている。だが、予選ではもっとハードな走りでタイムアップは間違いないだろう。注目の第5戦富士・公式予選は、14時25分にスタートする。

 

 

GT500クラス・トップタイム

本山哲(No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R)

「クルマもタイヤも調子がいい」

いい流れができてますね。セッション中は結構順調でした。タイヤと路面のコンディションも僕たちのクルマに合っていました。色々なことを含めて考えても、クルマもタイヤも調子がいいですね。ベストラップを出した周もそうでしたが、クルマのセッティングが問題なく走ることができているので、いい感じです。
もともと前回のSUGOも調子がいいはずだったんですが……。予選よりも決勝が大事ですが、(チャンスがあるので)予選でもポールポジションが獲れるよう、がんばります。

 

GT300クラス・トップタイム

高木真一(No.55 ARTA BMW M6 GT3)

「クルマは富士と相性がいいし、タイヤも合っている」

前回(第2戦富士)もポールポジションを獲っていて、クルマ的には前回からいいセットが見つかっています。もちろん微調整はしていますけど、あまり触っていません。路面温度が上がっているのでタイヤがよりハード目になったというところが大きく変わったところですね。クルマ自体も富士は相性が合っているみたいですし、トップタイムが出せたということはタイヤも合っているという証明ができたんじゃないかと。32kgのハンディウェイトもそんなに影響はないかな。
ただ、自分たちのタイムよりほかのタイムの方が分からないですよね。タイヤ無交換をするチームも出てくるかもしれませんし、そこも含めて、僕たちも予選順位によって作戦を考えていかなければいけないかなと思っています。練習走行でトップタイムを出しちゃうと、予選はプレッシャーになっちゃいますね(苦笑)。でももちろんポールを狙っていきますよ!

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